あらすじ
もはや厳格な「社会主義計画経済」ではなく、経済の市場化が進んでいる北朝鮮。記者、研究者として農民市場や工場・企業の実態調査をたびたび行ってきた著者によるルポ。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
あまり新書という形で北朝鮮の、しかも北朝鮮の市民の「生活」を知る機会もあまりないと思うので貴重な一冊。「一握りの超富裕層と大多数の飢餓市民」という構図は、全く間違いではないにせよ、正解でもないことがわかる。北朝鮮も経済政策に悪戦苦闘しているし、もはや社会主義的な経済とは言えない面も多い。金正恩はどんなにひどい人かと思われているが、意外に経済政策を進めたり、南北融和を模索したりしている一面もあることは注目しておくべき。もっと言えば、日本国内のマスメディアを通じて作られる北朝鮮のイメージには、どのようなバイアスがかかっているのかにも気づく必要があるともいえる。
経済政策や南北融和の一方で、やはり世界的には経済制裁を受けたりして何かと課題が多い北朝鮮の話題。時にはこういう本を読むと、「生活」という面から北朝鮮のことを見直す機会になるかもしれない。