あらすじ
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89歳、はじめての一人暮らし。英子さんの新しい菜園生活が始まります。
しゅういちさん没後、何をするにも虚しく感じていた英子さん。食べることもおろそかになり、キッチンガーデンもなおざりに。
すっかり時が止まってしまいました。
本書は、英子さんが本来の前向きな気持ちを取り戻し、暮らしのペースを元通りに立て直すまでの、秋から夏までの1年間をおいかけたもの。
自身の力で新しい暮らしを切り開き、明日へ向かって生きていく英子さんの姿にご期待ください!
【内容】
英子さんとしゅういちさん
★ようこそ、つばた家へ
まずは、お茶をどうぞ/手間ひまかけた手料理でお客さまをおもてなし
少しだけ便利に新しく/キッチンガーデンも始めました
★あたらしい朝がきた
目方が減った/まっすぐな廊下と蛍光灯/しゅういちさんの陰膳1
時が動き出す/お父さんを受け継ぐ/昭和36年、36歳のころ
★あきふゆ
秋・冬のキッチンガーデン/10月。干し柿を作る/1月。雪の朝/2月。春の気配
★暮らしを取り戻す
映画が公開/畑とシエスタがおろそかに/しゅういちさんの残したもの
始末の暮らし/英子さんの一日/そろそろ靴下でも編もうかね
★英子さんのお菓子と料理
栗タルト/蒸しパン/こしあんとお汁粉/さくらんぼのロールケーキ/ホームベーカリーでパンを焼く
おやき/治部煮/鶏肉のトマト煮込み/朝食の野菜スープ/あじフライ
★きのうからあしたへ
時をためるということ/夫婦のこと、家族のこと/食べること、暮らしのこと
★はるなつ
春・初夏のキッチンガーデン/3月。種をまく/ジャムとゼリー/7月。ハブ草の植え替え
★ちいさなノルマを毎日
お布団の中であしたを考える/暮らしはちいさく積み重ねる/水は毎朝、汲み置く
肉類はすぐに小分け冷凍/お正月は家族の好物で/しゅういちさんの陰膳2
★「あとみよそわか」に生きてきた
しゅういちさんの遺言/しゅういちさんのことば/しゅういちさんのイラストコレクション
〈あしたも、こはるびより。 番外編〉まちさな
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Posted by ブクログ
「生活」を大事にすることは自分を大切にすることなんだ。
本書を読んで改めてそう思った。
星野源さんが『そして生活はつづく』ってエッセイでこんなことを書いてたのを思い出す。
源さんが仕事のしすぎで過労で身体を壊して、お母さまが看病しに来たときに「あんたは生活を大切にしないから」と言われた。その言葉で「生活」ってごはんを作って食べるとか、洗濯をするとか、社会的でクリエイティブな行為じゃないからとおそろかにしていた自分に気づいた、と。
英子さんが大切にしているのはほかでもない日々の「生活」だ。
英子さんもしゅういちさんが亡くなって生活を(それまでに比べてだけど)大切にしなかったら体調を崩したと述べておられた。
「生活」は自分自身なのだ。「生活」を大切にすることは自分を大切にすることなのだ。
そして丁寧に生きるって生活を大切にすることだ。
そして英子さんやしゅういちさんを見ていると丁寧に生きるためには便利なものは必ずしも必要じゃないのかもしれないと思う。昨今溢れかえっている時短のための様々なものはとても便利だけど、便利さをとってしまうときに、失うものもあることに目を向けられるようにしたい。
そんなことを感じた1冊だった。