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Posted by ブクログ
重要冊子の一冊を紛失し、陸自の尾形三佐はそれの奪還を命じられる。
持ち去った男・グラフィックデザイナーの桐沢は自転車で北へ向かって旅をしていた。途上で作戦をしかけるものの次々に失敗する中で尾形は桐沢という男に興味を持ち始める。
青函トンネル開通前の作品ですが、特に違和感も古臭さも感じませんでした。
中年の男が抱える屈託の中を自転車旅が貫いていく様子は静かな感動を呼びます。度々ある登坂描写がとてもいい。
男とは、とか信念とは、などを言葉にすることなく桐沢や尾形の行動で語るスタイルにとても好感を持ちました。
解説では尾形と桐沢では感情移入するなら桐沢だろう、と書いてありましたが、私としては隊を揺るがしかねなかった事件を己の進退(と命)をかけて防ぎ、桐沢との奇縁を守り抜いた尾形に胸きゅん(昭和)でした。看護婦さんと結婚なんてしないでね~。