【感想・ネタバレ】電波オデッセイ vol.1のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「電波オデッセイ」は月刊コミックビームに1995~1999年に掲載され、2011年に
復刊を果たした作品です。

17年も前の作品で絵柄もノリも古く、あまり読みやすい部類の漫画ではありません。

オマケになんと脳内電波系女子中学生が主人公です。

しかし腰を据えてじっくりと読んでみれば、多くの人の熱望により時を経て復刊
された理由も納得の行くことと思われます。

人間が持つ多くの“負の感情”を描く場面では、マイナスの方向に心を揺さぶられ
るようなショッキングな言葉は伏字にし、行き過ぎた表現を控えるなど読者を傷
つけないようにと細心の注意を払う優しさが見えます。

またキャラクター豊かな登場人物それぞれを多面的に描くところからは(優等生
の劣等・不良の心の優しさ・虐めっ子側の恐怖心などなど)、偏りの無い公平な
視線に心地良さを感じる事ができます。

そして作中に織り込まれる絵画・音楽・小説・哲学の数々もまた、読む人それぞ
れにとって宝探し的に楽しい部分になると思います。

最後に1番のオススメポイントととして押しておきたいのが、ムリヤリ明るく寒
いギャグを連発する作者の心意気です。

真面目な話をどうしても茶化してしまう作者の照れ屋な性格は、主人公の“つい
ついムダに明るく振舞ってしまう”性格にとてもよく似ているような気がします。

その姿は時代の違いも相まって薄ら寒さを感じることも多々ありますが、それで
もやっぱり、人間らしくて可愛らしくてきっと親しみを感じる事ができると思い
ます。

今、学生真っ只中の人にじっくりと読んでいただきたい作品です。

そして学生を終えた人も、自分と周りを見つめなおすためにも是非ご一読!

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2012年10月09日

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