あらすじ
世界遺産に登録後、注目を集め、往来の増え続ける熊野。熊野古道や熊野三山を観光する人は多いが、熊野の魅力はそれだけにとどまらない。聖なるもの・俗なるものが混じりあう不思議な伝説があり、古来から続く風習が残るなど、そこには失われた日本の原風景がいまも息づいている。観光では訪れることのない奥地へ自ら足を踏み入れ、語り部たちの言葉を丹念に聞き取り、これまで知られなかった歴史を探り出す。美しい写真とともに、誰も知らなかった熊野の姿をここに開陳。
...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント /
※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
民俗学を読む楽しみに満ちている書。
"学"とつけると味気なくも感じてしまいますが、著者が熊野を歩き、考え、学び、そして熊野に暮らす人々に話を聞き、本書の形となっています。
様々なものがモヂュールと化して、その地に暮らした人々が形作ってきた、地域個別の民俗は既に風前の灯火と感じられ、最早不可逆なものとも感じられる一方、本書のような人の息遣いが感じられる書に出会うと、穏やかな気持ちになります。