【感想・ネタバレ】長期投資でお金の悩みから自由になった人たちのレビュー

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Posted by ブクログ 2017年07月09日

この本は「さわかみ投信」を立ち上げた澤上氏が前半を担当し、大部分を占める後半は、長期投資を活用して、ついには「ファイナンシャル・インデペンデンス=通常の生活を送るためのお金に困らない状態」を達成した、または達成しつつある、普通の人達を紹介しています。

ファイナンシャル・インデペンデンスは、私が以前...続きを読むにシリーズをほぼ読み終えた、ロバートキヨサキ氏が別の表現(経済的自由人)で紹介していましたが、そうなるには、ビジネスを持つ、という私にとっては大きなハードルを伴うものでした。

それに対して、この本で説かれていることは、長い時間を味方にする、素晴らしい会社の株式を選んで購入する株式投信を「毎月、ここがポイント!!」購入し続けることで、最終的に、ファイナンシャル・インデペンデンスに到達できることが書かれています。投信を運営している会社と、それを購入する私達との間の仲介料が極力低いことが、それを助けるものであること、またその特徴が世界的に見ても珍しいことが、会社設立で苦労した、澤上氏が書かれています。

澤上氏の本を何冊か読んで、踏ん切りがつかなかった私ですが、騙されたと思って(実はこの数十年間、多くの良い教訓を得てきました)昨年の初めから試しに購入してみました。最初の数か月、思ったような成果が得られず「これも今までと同じかな」と思っていましたが、株式市場が好調になったせいもありますが、今ではかなり良い成績を示しているようです。私がファイナンシャル・インデペンデンスを達成できるかわかりませんが、この本に書かれていた通り、今までの生活を続けながら、金融専門家には取ることのできない「長い時間を味方につけた運用」がもたらす効果を、10年位のスパンすで実体験してみたいと思いました。

以下は気になったポイントです。


・長期投資は「お金を儲けたい」としか考えない一般的な投資とは違う、生活者から見て大事な企業を応援しようとするもの。リターンは後からついてくる。(p4)

・この会社、世の中にとって大事だ、もっと頑張ってほしい、そう思えるかどうか、世の中から消えてなくなっては困る、応援しなければと思えるかどうか(p20)

・欧米において、一般生活者がみるみる貧しくなっていった70年代、給与水準が下がったうえに、インフレによる物価上昇が追い打ちをかけた。資産運用をしていた人と、何の対策も講じなかった人では大きな差がついていった(p27)

・大手証券は、証券会社が抱える事業法人部門や金融法人からの情報、各社からの預かり勘定を資金源として、株式相場を人為的に作っていった。株価が大きく跳ね上がったところで、企業は増資して大量資金を調達=新株の時価発行増資ということをしていた(p39)

・以前の投信は、増資が終わって売られるがままとなっている株式のごみ箱にさせられていた(p40)

・テレビコマーシャルでは個人の財産づくりのお手伝いとか言っているが、実体は販売手数料などを稼ぐ器として投信を位置づけている。その証拠に6000本近くあると言われている中で、まともに運用されている期間は2年半ほどで、その後はほとんど放ったらかし(p42)

・1996年6月末で、ピクテの日本代表そして、ピクテジャパン社長を辞し、翌7月4日に、さわかみ投資顧問株式会社を設立した、苦労の末に、1999年8月24日に「さわかみファンド」の設定まで漕ぎつけた(p47、53)

・一般の金融現場では、投資信託の作り手である投信会社よりも、販売を担当する証券会社の方がずっと影響力が強い、手数料を稼ぐために新商品を繰り出してくる(p73)

・ロバートキヨサキ氏はいろんな本を出しているが、結局のところ言っているのは「あなたは月に資産をいくら買っていますか」(p113)

・余剰資金は事前に天引きしておくのがコツ(p115)

・さわかみファンドの投資分野は、エネルギー・素材・工業製品・水、食品・環境であり、どんな社会変化があっても、人の衣食住は絶対に必要で、営々と生活は続いているというものに重点を置いている(p121)

・安定したサラリーマン、長期投資という威力、この掛け算のパワーは相当大きい(p134)

2017年7月9日作成

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