あらすじ
「なぜ、生きることはこんなに苦しいんだろう?」
この孤独な世界の中で、私達は、とても小さな存在。大きな道標のように見える誰かの強い価値観や様々な情報に翻弄され、迷い、時に、抜け出せない迷路に入り込むこともある。
けれど、生きていれば、必ず道がある。どんな道でも、あなただけの道を歩くことができる。
虐待、いじめ、自殺未遂、カミングアウト……。
ゲイの心理カウンセラーである著者が、自分自身の半生を紐解きながら、セクシュアル・マイノリティの視点と心理学的視点で語る、この生きにくい孤独な世界との向き合い方。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ジェンダーのカウンセラーの方が書いた小説は初めて読みました。恋愛に関してや、精神的な話が日々の生活の考え方に影響を与えてくれました。ゲイだから共感できる、異性愛者だから共感できない、というようなものではなく、恋や生活の悩みは程度は違えどみんな一緒です。読んでみても悩みが解決するわけでは勿論ないですが、精神的なものを論理的に理解して自分の感情をしっかり捉えられる本だと思います。
Posted by ブクログ
セクシャル・マイノリティであることや生育環境などにより、さまざまな生きづらさを抱えてきた著者による、「孤独」な世界を自分らしく歩いていくための気づきを与えてくれる優しい著書。
タイトルだけを見ると、一人でも生きていくということを薦めているように感じられるが、決してそうではい。自分という存在はこの世に一人しかおらず、その意味で誰もが「孤独」であること、自分から人間関係を遠ざけてしまう「孤立」さえしなければ、自分らしい生き方を実現させるために必要な人たちと一緒に「自立」していけるのだと、未来を志向していく意味について大きな気づきを与えてもらった。
本書の主要テーマのひとつであるLGBTに関連性の薄い読者であっても、何か人生に生きづらさを抱えている人、そのような人が身近にいる人、逆に周囲の誰もが順風満帆に見える人、つまりは全ての人に向けて薦められる著書。
Posted by ブクログ
ゲイの心理カウンセラーである著者が自らの幼少期からの虐待、ゲイである自身のアイデンティティに迷っていたこと、引きこもり、初恋の相手の死などライフヒストリーから、カウンセリングルームをオープンするまでを綴っている。
性的少数者が自身の悩みを打ち明ける場がほとんどないという現状、少数者、多数者に限らず差別意識はあるということ、共依存、パートナーとの関係(モノガミー、ポリガミー)、孤立と自立など、マイノリティだけでなく、マジョリティにとっても、様々な生き方の可能性について、心理学に知識と共にわかりやすく学ぶこともできる。自身の心を分析できるワークシートもついている。
かなり重いヒストリーが語られるのだが、読んでいると心が少し軽くなってくる。親や家庭環境、職場での人間関係、感情のコントロールができなくなっている時など、様々な場面でふと冷静に自分の目標は何なのか考えることができる気がした。