【感想・ネタバレ】ザ・コクピット〔小学館文庫〕 3のレビュー

あらすじ

▼第1話/潜水航法1万メートル▼第2話/衝撃降下90度▼第3話/オーロラの牙▼第4話/亡霊戦士▼第5話/流星北へ飛ぶ▼第6話/わが青春のアルカディア▼第7話/紫電▼第8話/エルベの蛍火▼第9話/勇者の雷鳴▼第10話/消滅線雷撃 ●「衝撃降下90度」/戦闘機のテスト・パイロット、台場は新型機の急降下試験の際、空中分解した飛行機の破片にあたり、右足を失う。義肢をつけて臨んだ2回目の試験飛行も失敗。左手と右目を失う。それでもプロペラ戦闘機で音速を超えるという夢をあきらめない台場は再び操縦桿を握る。そこにアメリカ軍の戦闘機が現れる。▼「オーロラの牙」/デスバルト・フォン・ドライゼはドイツ海軍きっての歴戦の潜水艦乗り。北極海を進む彼の前に、イギリス海軍リチャード艦長の戦艦バラクーダの姿が。潜行していても、正確に場所を見つけだすバラクーダにドライゼは苦戦する。▼「紫電」/戦闘機パイロット服部中尉はフィリピンでアメリカ軍のマッドウェー大尉に撃墜されてしまう。命は助かったものの、その時の逃げ回る様子を撮影され、そのフィルムがニュースフィルムとして全世界の映画館で上映されたことを知った服部は、マッドウェーを殺し恥をそそぐことを決意する。

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Posted by ブクログ

戦空に舞う機械仕掛けの翼の中で対峙するのは己でしかなかった。冷徹な塊にその身を委ねた凡庸な男達も極限にあっては大いなる意志を感ぜずにはいられなく、その意志の中を飛ぶことが命の証となるのであった。破壊を目的とした無機質な産物に操られながらも命の意味を問う魂の戦いだけが飛び続けている。ここに紹介するのは「わが青春のアルカディア」を含む松本零士の戦場ドラマシリーズ(短編集)の第3巻。戦場での人間ドラマが描かれているようで、実は、飛行機、戦車、銃器などの武器と化した精巧な機械を使用する人間の心模様を巧みに語っている。このシリーズは11巻まで続く。タイトルがコクピット(操縦席)となっているように、軍用機(とりわけ単座席)を取り上げたものが多い。騎士道、サムライ道に生きる勇者たちは、個人の死を乗り越えて普遍的な価値あるものを求めて飛び続けている。

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2009年10月04日

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