あらすじ
2004年に制作されたWEBゲーム“CRIMSON ROOM”は、のべ5億アクセスを得た「怪物ゲーム」だった。
後に「密室脱出ゲーム」と呼ばれるジャンルの先駆けと言われる。
プレイヤーは見知らぬ赤い部屋に閉じ込められていて、そこから脱出するのがミッションである。
この小説作品『クリムゾン・ルーム』は、ゲームの謎解き本ではない。
主人公の「高木敏光」(著者名と一致しているところに虚実の皮膜がある)は、札幌に在籍する『株式会社β』に勤めているクリエイターだが、30代も半ばとなり、制作意欲の枯渇を感じている。その事実を、連夜の深酒やギャンブルで誤魔化す日々である。
違法カジノバーのバーテンダー「マリアンヌ」や、秘密クラブのホステス「桐子」らとの出会いや、交際がある。彼女らはまるで正反対の要素を持つが、それぞれの信念で自立した女性だ。
そんな中、高木は「K」という若い男から一通のメールを受け取る。ひょんなきっかけから、Kと会うことになった高木は、彼の中にある種の若々しい天才を見出す。
高木はKをゴーストライターとして、クリエイティブ界全体への現役復活を目指し、それは成功したかのように見えるが……。
もの作りの歓びと苦しみ。尊敬と嫉妬。盗作と剽窃。偽名と匿名。世代の転換――製作者にとっての悩みは、いつまでたっても永遠のものだ。
本書は“CRIMSON ROOM”の作り手である著者・高木敏光が、自ら書き起こしたサスペンス小説である。どうか、フィクションの世界で、密室に閉じ込められてみて欲しい。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ネットで一時期話題となった
脱出アドベンチャーゲーム「クリムゾン・ルーム」が
小説として登場。DSでも発売されており人気が高い。
著者はゲーム制作者本人の書き下ろし。
これは小説なのか!?と思わせるような内容となっています。
読み終わってこれは事実なのか嘘なのか一瞬疑いました。
Posted by ブクログ
当時クリムゾン・ルームはもちろんビリジアン・ルームやブルー・チェンバー、ホワイト・チェンバーにも激ハマりした1人ですが、著者≒主人公がモテモテすぎるのがちょっと。
というかちょっと良い話風にしているけど不倫ダメゼッタイ!
Posted by ブクログ
読み終わってから、いや読み方がよく分かんねえよ!と突っ込みたい衝動に駆られる。読み方が分からない小説は数多くあるが、筆者が何を思ってこれを書いているのか、その意図がさっぱり分からない感じは群を抜いている。山田悠介テイストのかっるーい出落ち小説かと思いきや…。結構表現力豊かじゃないの。なにこれ?って思いながらもページをめくる手が止まらないのは、多分この作者の文体が好きだからなのかも。自分がタイトルや表紙の感じからイメージしていた先入観が強すぎて、その差異にも戸惑った。ゲームを作る人が、ゲームを作るアイデアが枯渇して困っていた。でもある事をきっかけにアイデアが戻ってくるけど、そのある事の裏側には生々しい事件が!ってだけなんだよね。本当に不思議な作品。