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Posted by ブクログ
本書は、1998年の日本銀行法改正以降の金融政策決定を追うことで、日本銀行と政府・与党間の影響力関係を解明することで、日本銀行の政策決定における独立性が低下してしまった原因を述べている。そのうえで中央銀行と政治は、いかなる関係にあるべきか、中央銀行の金融政策は、どうあるべきかを考察している(p.ⅳ)。
近年の金融政策の動向のみならず、その判断に必要な日銀の役割についても書かれており、かなり丁寧な構成になっている。著者の主張は大変シンプルである。しかし本書の議論から十分、納得できるものだと考える。
経済学の知識がほとんど無い人も本書の序章を読むことで、著者の主張をある程度理解することができるだろう。ただ前提知識がない人が一人で読むにはかなり骨が折れると思う。経済学(特に金融論)を学ぶ学生の教科書・副読本としておすすめしたい。
Posted by ブクログ
中央銀行の独立性について考えさせられる書籍。出版された当時よりも状況はさらに悪くなっている。異次元緩和が盛大に失敗した場合の責任は日本銀行と政治、どちらが取るのだろうか…
Posted by ブクログ
よくもまあ、あんな詳細にトレースできたものだと感心。
終章でキングドンの「政策の窓モデル」で分析しているところが気に入り購入。
農業政策の分析に一役買えるか、それはボブ次第…(; ̄ェ ̄)
Posted by ブクログ
1998年の日本銀行法改正以降の金融政策決定の軌跡を追うことで、日本銀行と政府・与党間の影響力関係を解明している。そして、現在のアベノミクスに従属する日本銀行について、「日本銀行はなぜ追い詰められたのか」という問いに答えることを目的としている。
日本銀行の独立性を高める日本銀行法の改正が行われてから、アベノミクス全盛の現在までの日本銀行の金融政策決定過程やその時々の政治との関わりがよくまとめられており、それらの経過を概観するのにちょうどよい。速水総裁、福井総裁、白川総裁、黒田総裁、それぞれの金融政策決定や政治との付き合い方のスタンスの違いも興味深かった。
しかし、キングダンの政策の窓モデルを適用したりはしているが、政治学的な分析は浅い気がして、物足りなかった。