あらすじ
太陽信仰ソラーレ教を信仰するシシリア公国。 聖少女レイラは、吸血鬼である執事のダリウスに、自らの血を与えていた。 そんなある日、レイラが出席した夜会で、幸福をもたらすと伝えられる人形が盗まれてしまう。 同じ頃、人々が謎の毒により倒れる事件が発生。2つの事件を追うレイラ達だったが…!? ダリウスへの想いを自覚するレイラと、彼女の婚約者候補に対する嫌悪感を隠せないダリウス。 禁断の主従ラブロマン、急展開の第2弾登場!
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Posted by ブクログ
昨日1巻・今日2巻を読みました。
おかしい。
1巻よりも良いと思えるところなかったような気がするのに、1巻よりも読みやすかった。なぜだろう。
1巻で感じたテンポの悪さのようなものが、改善されている?完全に直っているとは到底言えないのですが、良くなっている気がします。もしくは、私が慣れたか。最後のセンが強い気がする。
全体的な構造というか元警邏兵のダウリスと現職の警邏兵であるほボブとエルマーが出てきて、怪奇事件を解決するというミステリー形式としては、格段に前巻のほうが優れています。
ネタばれになってしまいますが、今回の事件の解決については、何となく釈然としないと言わざるを得ません。本人が望まずして無意識に犯人になっているので、当然と言えば当然なのですが。前回と同じで、この作品のテーマが理解できません。
前巻よりも進歩したところと言えば、お互いの恋心についての自覚でしょうか。ダウリスは恩義のあるレイラの存在が絶対で、レイラの幸せを願っている。執事という立場でしかそばに居られないので、『執事なら』こう考えるべきに縛られていて、『執事がお嬢様に恋情を抱くなど許されない』という壁を飛び越えたいとび越えられないといった状態です。
ただ周りからはお嬢様のことが好きというのがバレバレなので、いっそ認めてしまえばいいように思うのですが。『執事だから』お嬢様に恋をするのは駄目で、『契約だから』吸血という行為を通じてお嬢様と触れ合うことは許される。そこに矛盾が生じているので、読んでいてすっきりしません。今後この矛盾にダウリスとレイラが二人で立ち向かうのであればよいのですが。
一方レイラのほうも、そばにいてくれると思っていたダウリスが、いずれは遠くに行ってしまうかもしれない、そんなの嫌という事には気が付きました。でも何で嫌なのか、ダウリスでなければならない理由が今回も示されていないため、世間知らずのお嬢様の恋愛ごっことして以上には読めないのですね。そんな裏打ちのない状態にも関わらず、ペンダントの交換をしてお互いを縛るような行為をしたり、しても、そこに深みがないのです。
5年間の二人の絆のエピソードを少しでも入れてくれればその部分は解決すると思うので、発売が決まっているという3巻にその面を期待。
それから、リビーは一体どういうポジションにもって行かれるのでしょうか?前回は、ダウリスをあきらめていない的な発言をしていたので、レイラの恋愛面のライバルになるのかと思いきや、今回はどちらかというとレイラのお友達ポジション。それなら1巻であんなにも元婚約者で未練ありということを強調する必要があったのでしょうか?
全体的にいま一つ感がぬぐい去れません。
ただ、私がBooklogに書いているレビューの中でも重量級のボリュームになったので、何か心に引っかかるパワーを持っていることは事実です。