【感想・ネタバレ】なぜ日本の教育は変わらないのですか?のレビュー

あらすじ

日本の学生のポテンシャリティは高い。それでも、なぜ日本の学校は社会から信頼されず、学生は無為なままなのか。30年間、日本を鋭く見つめ続けた著者が説く、渾身の教育論。

【主な内容】
第1章:教育改革国民会議~小渕総理の前で話したこと
第2章:私の教育環境~一発勝負の日本との際立ったコントラスト
第3章:教育改革国民会議での提案~暫定入学、飛び入学、九月新学期、ダブル専攻
第4章:学園祭~インセンティブとモチベーション
第5章:教育の悪平等と受験戦争~一八歳の「一発勝負」の不合理
第6章:文化と教育~新しいインセンティブを持つ制度を
第7章:大学入試~暫定入学制度で一発勝負の悲劇をなくす
第8章:多摩大学における暫定入学制度導入の試み~文科省が骨抜きに
第9章:大学の質~レジャーランドでいいのか
第10章:経団連~教育の悪循環
第11章:大学に競争的環境を~GPAシステムを日本にも
第12章:私の多摩体験~勉強を促すモチベーションを与える
第13章:飛び入学~新しいエリートを育てる
第14章:親たちの教育ジレンマ~わが家の受験戦争体験
第15章:大学人の未熟さ~「象牙の塔」コンプレックス
第16章:日本人の若者のモラル~人間関係的道徳観
第17章:子どもと社会性~「箱」と受験戦争の重圧から解放しよう
第18章:過保護~日本独特の現象
第19章:誤った責任感~子どもに厳しさを体験させよ
第20章:留学生~留学準備ビザ制度の提案
第21章:少子化対策~留学生と移民の受け入れを
第22章:英語教育~大学入試科目から英語を外せ
第23章:正しい英語教育のために何をすべきか~ディープ・リスニング
第24章:多摩方式英語教育テクニック~私の語学教育改革案

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Posted by ブクログ

著者が言うように、日本の高等教育は、瀕死の状態だ。
18歳人口は減り続け、現在は120万人(ピークは92年の180万人)。
92年以降、私立大学は334校から604校に増え、現在778校。
この10年で廃止された大学は10校を数える。

定員割れは250校を数え(約3割)、定員の8割未満の大学が114校(7割)。
出生数は今後60万にまで落ち込む。
半分以上の大学が規模を大幅に縮小するか、廃校になる。

今の若い研究者のポストは、少なくなるのが必須かつ不安定なものになる。
研究する場所も、ポストもなければ、
必然的に、日本のアカデミックは、競争力を失う。

このような中で大学教育の「質」が議論されて久しいが、
昨今の有名大学の学生の、集団強制わいせつ事件を見ていると、
教育の質の前に、人間として問題であり、犯罪行為をしてはいけないという、
教育が必要になっている。

最後に、
「英語が大切だ」と言われる。私はそう思わない。
著者もこの本で大学受験科目から英語を抜いた方が言っている。
私も、その意見に基本賛成。新学習指導要領にも、
相変わらず「グローバル化の対応=英語力強化」という文言が載っている。
不思議なのは、教育審議員の人にも、
文科省の人にもフェイスブックや様々なSNSを使って、
誰も【英語】で発信していないことだ。外国語を強化する一番適した方法は、発信することだと思う。
【言う側】は、出来ず、【言われる側】は、やらされる。この関係は、本当にまずいと思う。

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2017年11月19日

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