【感想・ネタバレ】女は何を欲望するか?のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2012年03月30日

内田先生のジェンダー論は、
だいたい読書論に行き着く印象です。

学術的な内容なので、
エッセイを期待している方は残念でした。

でも、
こういった難しいもののほうが、
彼のメンターっぷりが十二分に発揮されているため、
とても貴重な読書体験ができると思います。
読み終わった後の、
少し見晴らしの良...続きを読むくなった自らの視座にびっくりすることでしょう。

0

Posted by ブクログ 2019年10月31日

7/10点。
難しい部分があるので8点はあげられない。

特にフェミニストの言説を引用するなら丁寧に翻訳して。

傷つくという体験を共有し、その傷を被害者という特権的な地位を獲得した根拠にするということはよくわかった。
でもその構図を採用し続ける限り、フェミの方々ひたすら男社会から傷つけられ続けない...続きを読むとフェミの立場を維持できないという構図になっているのは不幸と思う。
俺は、女は、男性の性的な側面を適切にかつ暴力的に消費できるだけの能力を持っていると思う。男なんか、商品にしちまえばいいじゃんと思う。経済的な理由で女がそれをできないのならそうできるような社会を作るべきだと思う。
他方で、誰も対象化され消費されない社会なんてありえないので、性の対象化や商品化そのものをネガティブに評価することに意味はないと思う。男女差を埋めるだけにしとけよ、と。

0

Posted by ブクログ 2013年07月04日

俗っぽいタイトルとは裏腹に内容は学術的な雰囲気が漂っている。女として語ること、女として読むこと、特に日本語という言語の中ではこの二つ困難であることはフェミニズムだけでなく、日本人が日本人として生活してきた固有の眼差しが男性観と女性観に影響を及ぼしているのでないか、と思った。後半のフェミニズム映画論で...続きを読む紹介されているエイリアンの解説も面白く、自分の性を考えるのにもよい契機になった一冊。

0

Posted by ブクログ 2012年10月10日

挑発的でキャッチーなタイトルに騙されてはいけない。
これは超高度なフェミニズム論、哲学論である。

哲学に馴染みがない人(=俺)には敷居が高いが、
これほど哲学を噛み砕いて書ける学者はいないと思う。
こういう人は哲学界では本当に貴重。

あとがきから読み始めれば
作者のイイタイコトがつか...続きを読むみやすいかも。

---

「『女だから』という理由で、その社会的能力を軽んじてはならない」という主張に私は同意する。けれども、それを「社会的能力は性差に優先する」と読み替えることには同意しない。

---

この作者の価値観が
本書の根底に流れる思想であり、
自分のもっとも共感した部分であります。

フェミニズム以外にも、ヘーゲル、レヴィストロース、
フロイト、バルト、マルクスetc..
哲学のエッセンスをギュっと凝縮。

第二章の『エイリアン・フェミニズム』、
「エイリアンはフェミニズム映画だ!」という論考は
真面目に読んでも穿って読んでも楽しいです。
俺は爆笑しました。

哲学の楽しさを教えてくれる本。
哲学への取っ掛かりに、いかがですかい。

0

Posted by ブクログ 2011年05月22日

理解しきれないが、自分の男女の性差に対する強固な思い込みに気づけたのは大きい。
分かつ部分があることを知ってるだけじゃないか。

0

Posted by ブクログ 2011年03月09日

何故フェミニズムが衰退したのかについて、内田樹が冷静に論じた本。映画「エイリアン」からアメリカにおけるフェミニズム意識の変化を考察するなど、視点が面白い。

0

Posted by ブクログ 2015年04月25日

フェミニズムはマルクシズムと同様、「理論の過剰適用」によって人びとの支持を失うことになったと著者は考えます。「フェミニズム言語論」と題された本書の第1部では、ショシャナ・フェルマンというフェミニズム文学批評の研究者の仕事などを参照しながら、フェミニズムの観点からテクストを裁く態度は、テクストという場...続きを読むにおいて他者との出会いを待ち受ける姿勢からは程遠いものだということを論じています。

「フェミニズム映画論」と題された第2部は、著者の十八番ともいうべき『エイリアン』分析が展開されています。『エイリアン』の中に込められた性的メタファーを読み解きつつ、ジェンダーにまつわる人びとの無意識の反映を「発見」していく著者の批評的実践は、「検閲」に終始する態度とは異なる、フェミニズム批評の豊穣性を受け継いでいくためのヒントを提供してくれているように思います。

0

Posted by ブクログ 2013年08月18日

何だかいやらしいタイトルなので登録するのも気が引けますが、真面目なフェミニズム批評です。内田樹の著作の中でも読むのが難解な部類に入ると思いますが、それは内容も然ることながら、僕(あるいは僕の世代)が、フェミニズムという思想に対する実感があまりにもないせいだと思います(まあそれでも内容は大筋は理解でき...続きを読むたかなと思う)。
”矛盾するメッセージを矛盾したまま、同時に伝え、読みの水準を換えるたびに、そのつど別の読み筋が見いだせるような物語は「質の高い物語」である。”(P182)という箇所が特に重要だと思いました。
全能感(のような錯覚)をもたらすような(抑止のない暴走する)思想は廃りも早いと、フェミニズムに対して手厳しい評価を与える一方で、その一定の意義にも言及するあたりは、著者の深い優しさを感じました。

0

Posted by ブクログ 2013年07月07日

フェミニズムの議論は幅広い。本書では、フェミニズムの一部の議論を取り上げて、痛切な批判を展開している。とはいえ、読後感は悪くない。筆者が述べているように、フェミニズムへのシンパシーが通底にはあるから、なのだろう。当たり前の批判を、当たり前に言うことそのものが難しい場合がある。本書は、その意味で、当た...続きを読むり前の批判を正攻法で述べただけ、でもある。が、そんな態度は(決断主義的なキライはあるけれど)悪くない、と思った。

0

Posted by ブクログ 2011年12月31日

フェミニズムについて、真面目に語っている。ちょっと難しく馬鹿の私はゆっくり読んだ。前半のフェミニズム言語論は、納得できる部分は少ない(馬鹿なので)が、深く納得できる。面白かった。後半は極めて読みやすくテーマが手頃でよい。論題も全然ちがう。

0

Posted by ブクログ 2010年04月17日

極端なフェミニズムには論理的な矛盾があることを、言語論、読者論といった視点から指摘。映画のところはわかりやすかったが、言語の部分は少々難しかった。

0

Posted by ブクログ 2009年10月04日

グエ、って感じ。こ、濃いよ・・・。久々の新書で頭がショートしかけました。読書は、特に論説系は離れたらいけないわ・・・。

「いかにして男性社会の中で女性の文化を作っていくか」、辺りで仮定法で進められていく理論に何度頭を悩ました事か・・・
一部抜粋すると、

「女性の文化を作るにしても、男性社会の教育...続きを読むを受けた女性は男性的なやり方でしか組み立てていく事が出来ない。
 最たる者が文字であり、今私達が使用している文字もまた、かつては男性しか使えなかった男性社会の産物だ。
 とすると、女性が新たに女性の文化を作るためには男性社会の文字から脱却しなければならないのではないか」

・・・という感じ。これを理解するのも一苦労でしたわ・・・ホントに鈍ってる。
そんな感じで論理が進んでいって、最終的には比べようとする事自体が男性社会のモノサシで計ってる。ひとりひとり、男性も女性も比べる事無しに考えていこう・・・という感じ。私の解釈が間違ってなければ。

0

Posted by ブクログ 2011年07月25日

内田樹の新刊、というだけで買った本。で、買って初めて分かったのは、これが「かなり学術的なアプローチによるフェニミズム批判(筆者)」の本であるということである。非常に困った。だって、そもそもフェミニズムって何?っていうことを、ほとんど知らないのだから。なんだろう、サッカーを知らない人がサッカーの戦術論...続きを読むの本を買ってしまったような感じだろうか。サッカーのルールを知らない人が戦術本を読んでも仕方がないのと同じで、フェミニズムの基本的な理解に欠けている人間が、それのやや学術的な論考を読むはめになってしまった、ということだ。従って、感想はない、というよりも、内田樹が何を議論しようとしていたのか、理解できなかった、というのが感想ということになってしまう。

0

「学術・語学」ランキング