【感想・ネタバレ】ポスト・プライバシーのレビュー

あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

近代以降、人びとは「他の誰でもない私」「ほんものの自己」を目指すようになるとともに、個人の情報や秘密、私的領域の保護を求めるプライバシー概念を重視するようになった。だが情報技術が飛躍的に向上して一般化した現代社会では、プライバシーの位相は大きく変容している。個人の内面や身体、親密さ、私的領域を聖域化してきたプライバシーが、データベースや情報システムを聖域化するプライバシーへと移行しつつあり、それにともなって私的領域と公的領域の境界も意味を失ってきている。こうした現状を、監視カメラの偏在化やデータベースへの個人情報の登録などの事例からあぶり出す。そして、個人の外部にあるシステムが管理する情報によって「私」が形づくられつつある今日の状況が、社会システムのどのような変化に呼応しているのかを解明する。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ちょっと、借りる機会があって読みました。
プライバシーと言うと、個人情報の保護と言うイメージだけれど、それよりも寧ろ個人の意識の作られ方やその境界の話でした。
そもそも、プライバシーと言う考え自体近代以降と言う考えが多いそうで、更に日本には直訳がないのでよりその意識が希薄だったのではないか。
 次いで、現在はネットなどのコミュニケーションによって、個人のイメージ(ファンタジーとあります)とデータを積極的に活用して、自己を形成する。特に、従来の共同体や繋がりが希薄になり、身分や階級などが無い現代は自己を育てて決めて行かなくてはならないので、個々の情報と言うより無人の情報システム側にプライバシーや自意識が任せられていると言う、普段考えるプライバシーより寧ろ逆の話でした。
 また平野啓一郎さんの分人主義と言う本も読んだのだけれど、この本の中では、データや情報で作られる自分をダブルと呼んでいます。

自分探し、など今でも言うか分かりませんが、プライバシーや自分の要になる物の形が逆転する程に変わっていると言う事で。自分に引き寄せるとぐらぐらする様な、そう言う意味でエキサイティングな感じ

0
2013年02月03日

「社会・政治」ランキング