あらすじ
不登校やひきこもり、出社拒否や家事・育児拒否といった「閉じこもり」状態から抜け出すために、当事者や家族はどう向き合い、何をすればいいのか。30年間で延べ5000人以上と向き合った経験から閉じこもり現象の背後にある「親子関係の問題」に着目。当事者の心理状態から家族が取るべきサポートまで、ベテランカウンセラーが実践に基づいた平易で具体的なアドバイスを語る。子育てに悩む親、生き方に迷う大人も必読の書。
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Posted by ブクログ
この手の本には、エッセイ風で自分の経験談を語るものや、よくある一般的な対策を網羅しただけのものが多い。しかし当著は、事例に基づき丁寧に体系的に「閉じこもり」のメカニズムを分析している。専門的でありながら、平易で読みやすい文章も好感が持てる。
引きこもりの原因が親との関係に大きな原因があることは間違いない。それは親が悪いというよりは、適切なやり方が知られていない、知ったところで実践が難しい、というところが論点になるだろう。当著は、そのやり方についても、かなり実践的な方法を紹介している。
文章は平易で冷静客観的でありながら、読者(引きこもりを持つ親)への優しさに満ちている。「おわりに」を読んで、その理由がわかったような気がする。