あらすじ
鹿島翔香。高校2年の平凡な少女。ある日、彼女は昨日の記憶を喪失していることに気づく。そして、彼女の日記には、自分の筆跡で書かれた見覚えのない文章があった。”あなたは今、混乱している。若松くんに相談しなさい……” 若松和彦。校内でもトップクラスの秀才。半信半疑ながらも、彼は翔香に何が起こっているのかを調べはじめる。だが、導き出された事実は、翔香を震撼させた。”そ、んな……嘘よ……” 第一回電撃ゲーム小説大賞で金賞を受賞した高畑京一郎がくみ上げる時間パズル。最後のピースが嵌まるとき、運命の秒針が動き出す--。 '97年初夏、映画も公開もされ、多くの読者を魅了した話題作が遂に文庫化!!
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Posted by ブクログ
何年も前に手放して、再び読みたくなって再購入。やっぱり大好きですタイムリープ。
思えば、深夜にやってた電撃系のラジオでラジオドラマとして放送されていて、そこから文庫へと流れたんだよなぁ。
余談ですがラジオドラマの声優さんは、翔香役→久川綾さん、若松役→緒方恵美さんでした。
パズルがどんどんはまっていく感覚は壮快。くわえて、タイムリープそのものを利用した作戦も好み。
上巻に比べて下巻の勢いは落ちましたが、ラストのオチがきれーいに纏めてくれて、大円満。すごいプロットだなぁ。
これからも時折読み返したくなると思うので、もう手放しません。オススメです。
Posted by ブクログ
上巻に引き続き、どんどんとパズルのピースがきれいにはまっていく。
時間を再構成しては翔香を助けられないという、若松の自身への客観視と覚悟がかっこいい。
本編はすべてのピースがきれいにはまって完全な形なのに、へんなあとがきが台無しにしてる。もったいない。
Posted by ブクログ
いわゆるタイムトラベルもので、主人公が時間を行ったり来たりするお話しです。
タイムトラベルと一口に言っても、同じ「時間」を繰り返して色々な可能性を経験するような話しもあれば、過去や未来に行ったりするものの主人公が過ごす「時間」は結局は一つだけという話しもあります。
この「タイム・リープ」は、後者の方。時間を行ったり来たりするのは主人公の意識のみで、体は元の時間軸に沿ったままなので、時間的な重複はありえないのです。
そのため「意識」が跳躍した時間の部分には、後で別の話しが展開される事が分かっているので、どこの「時間」が抜けているかが頭の中で整理されていれば、「次にこの時間に飛ぶかな」っていうのが分かってしまう。どうしても展開が読めてしまうのは、この仕組み上は仕方ないのだけど、それでも、穴の空いたジグソーパズルにピースがはまっていくように、段々と穴が少なくなっていって最後にピタッとお話しが完成するのは読んでいて心地良かったです。
後で何回も考えてしまうようなタイムトラベルものの複雑さはなかったけど、ミステリーな展開にもワクワクしたし、十分楽しい小説でした。
あ、もっと翔香と若松君のラブストーリーが読みたかったかなぁ。