【感想・ネタバレ】パパだけど、ママになりました 女性として生きることを決めた「パパ」が、「ママ」として贈る最愛のわが子への手紙のレビュー

あらすじ

「news zero」(日本テレビ系)キャスター
有働由美子さん推薦
「家族の姿はみんなちがう。
そんな当たり前のこと、みんな忘れてる気がする。
それを思い出させてくれる本」

3回泣ける感動の実話!
「news zero」に出演した日本初のトランスジェンダーのニュースコメンテーター渾身の書き下ろし!!

最愛のわが娘・もも、あなたは明らかに友だちとは違う形の家族をもっています。その原因をつくったママはやっぱり心配になります。ママという存在のせいで、嫌な思いをしたり、学校でいじめられたり、悩んだりさせてしまうこともあるのでは、と。
だからこそ、私はきちんと話しておかなければいけないと考えました。ママは、どうして男性として生まれながら、「女性」として生きようと決断したのか。
この本は、多感な思春期の入り口、将来12歳になったももへの手紙として書きました。
「はじめに」より


もくじ

第1章
「ママ」がまだ男の子だった頃のお話
いつか女の子になりたい
40年経っても忘れられない「号泣事件」
アホ兄弟の「ハゲ! 事件」
鏡の中には「薄汚い自分」が
「へんこ」と呼ばれて など


第2章
「ママ」がまだ男性で、
東京に来て頑張っていた20代の頃のお話

ついに東京に来た!
ふるさとを襲った阪神・淡路大震災
21歳、初めて海外に来た!
ドラァグクイーンが大学院生に
日本テレビ入社、報道局で外報部記者に
カイロ支局長にならないか? など


第3章
「ママ」がまだ男性だけど、
自由に生きていいんじゃないかと
気づいた中東特派員の頃のお話

カイロに来た!
他人の目を気にしなくていい世界があった
「she」と呼んで傷ついたその人は、「he」と呼ばれたかったんだ
人はいつ死ぬかわからない
憎悪の目をした男に、思いっきり噛みつかれた
人生の歓びとは、かけがえのない人とシェアすること など


第4章
「ママ」がついに、v女性として生きていこうと決めた頃のお話

5年ぶりの日本。むき出しの言葉に「今に見とけよ!」
東日本大震災で決意。後悔なく生きよう
女性の敵、本当に悪い男をハワイでスクープ!
「性同一性障害」の診断が出た
「金曜ロードショー」のプロデューサーに
マチュ・ピチュ遺跡が教えてくれた「人生なんだってできる」など


第5章
「ママ」が「かーちゃん」と出会って、
結婚する頃のお話

「かーちゃん」と出会った!
「魂のふれあい」が感じられる人がいい
男とか女とかではなく、「この人が好きなんだ」
ドキドキ! 「かーちゃん」のご両親に会う
「幸せボタン」は多いほうがいい
なかなかうまくいかない「妊活」 など


第6章
「パパ」だけど、
ついに「ママ」になりました

「news zero」に出ない?
有働さんに「よろしくお願いします!」
ももは、おなかの中にいたよ
日テレ社内からも応援の声が
「こんな私が、親になれるのかも」
生まれる前から、ママはずっと泣いてたよ
「ようこそ、世界へ!」 など


おわりに ~誰も歩いたことのない道を

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

誰も歩いたことない道を
そこに希望は常にある

赤裸々に、人に言いにくいことかもしれない。
それでもこうして、本にして、ぼくに人生を伝えてくれる。感謝。
「みんなしたことない」
そこに勝算はある
諦めない勇気をもらった

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2024年09月26日

Posted by ブクログ

自分ではどうしようもない出来事に動かされて、目の前の事が別に嫌な訳では無いけれど、望んだ道でもない。そんな状況の私には、刺さる言葉がたくさんあった。
与えられた環境にとことん向き合う姿に励まされる。今やっていることは無駄じゃない。そう、思える。
娘さんへ向けた手紙の形だったからこそ、愛に溢れた言葉で私も学ぶ事が多かった。何かを残すではなく、生きる様をみせる。そう思えるくらい、いい本に出会ったと感じている。
環境が変わることで出会う人や出来事が自分を救ってくれるように、私の中ではこの本に出会えたことが何よりも嬉しい。

0
2024年09月03日

Posted by ブクログ

「ふつう」の男の子が、少しずつ自分の女性性に目覚め、日テレで働く中で、
それも海外に赴任して活躍する中で、新たな気付きを得て、女性として生きていくことを決め、
実行していくお話。
しかもその中で、女性パートナーと出会い、すでに男性機能はほぼ失っている中で、
精子を抽出し、二人の合意のものとで本当の父親になる。
8歳になった娘「ももちゃん」に、母親は母ちゃんと呼ばせ、自分は「ママ」と呼ばせる。
そんなママが、やがて成人するももちゃんに宛てて書いたのがこの本というわけだ。

この設定は正直読みにくかった。
そもそも一人称「ママ」がなかなかしっくりこないので(何とかバイアス!)
いつの誰のことを言っているのか、わからなくなることしばし。

その点を差っ引くと、実にいい本だったと思う。
人に自慢できるレベルの仕事をバリバリこなしながら、自分を見つめなおし、
葛藤しながら、特に父親には複雑な思いを持ちながら、
女性として生きていくことを決める様子は感心させられるものがあった。
読み手に響く文章だった。

昔の性同一性障害、今は普通にトランスジェンダー。
その心の移り変わり、もちろん十人十色だろけれど、
ママの気持ちは十分のぞかせてもらえた、と満足できる内容だった。

仕事で成功した人のトランスの話だからかっこよいだけ、
実際はもっとつらいトランスの方もたくさんいる、それは分かる。
私の前の職場で、ママと同じ状態の人は仕事の中身が理由で配置転換させられた。
いろんな人がいるのだ。たまたまその人がトランスかどうか、というだけの話。

娘に対する思いがこういう形の本にさせたんだろうなー。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

トランスジェンダーとか関係なく、そもそも優秀で人より努力ができる人というイメージ。だからこそ、自分の思い描く人生を実現できたのでは。

ストーリーの構成とかはさすがプロという感じ。面白かった。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

 この作品のタイトルの通りの内容なのですが…谷生俊美さん、私この作品を読むまで名前も申し訳ないことに知りませんでしたね(汗)。

 読めば読むほどにスゴイ人!浪人して国立大学に入学し、留年して見識を広げ、大学院に進み、日本テレビに入社、その後は公私ともに世界中を渡り歩き、生命の危機に見舞われたり…。性的には男性だけれど、姓自認は女性…その思いは小学生のことから徐々に大きくなって、現在はカミングアウトして自分らしく女性らしくありたいと、日々努力しておられます。ある意味、私なんかより女性らしい(汗)。

 そして、パートナーは一般的な女性のかあちゃん…かあちゃんは、児童福祉分野のスペシャリストでやはり海外でそのスキルを磨いておられた方です。そんなふたりの子ども…ももちゃんにあてた手紙、しかもももちゃんが12歳頃に読むのを想定したお手紙、この作品丸ごと一冊!!ももちゃんに対しての深い愛情が感じられます。将来ももちゃんが、堂々と生きていけるようにしたためたものになっています。

 ももちゃん誕生の場面が描かれた部分、泣けました!(3回は泣けなかったけど)
…。トランスジェンダーのママだからということではなくて、当たり前のシーンに感じました。これから、ももちゃんも、ママも、かあちゃんも悩むこともあるかもしれないけれど、いろんな家庭があるのが当たり前の社会になればいいですよね!
(あ、それと、谷生俊美さんの写真見て、マカンマランのシャールさんってこんな感じなのかな?とか、想像しちゃいました!!)

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2024年01月31日

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