感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「ふつう」の男の子が、少しずつ自分の女性性に目覚め、日テレで働く中で、
それも海外に赴任して活躍する中で、新たな気付きを得て、女性として生きていくことを決め、
実行していくお話。
しかもその中で、女性パートナーと出会い、すでに男性機能はほぼ失っている中で、
精子を抽出し、二人の合意のものとで本当の父親になる。
8歳になった娘「ももちゃん」に、母親は母ちゃんと呼ばせ、自分は「ママ」と呼ばせる。
そんなママが、やがて成人するももちゃんに宛てて書いたのがこの本というわけだ。
この設定は正直読みにくかった。
そもそも一人称「ママ」がなかなかしっくりこないので(何とかバイアス!)
いつの誰のことを言っているのか、わからなくなることしばし。
その点を差っ引くと、実にいい本だったと思う。
人に自慢できるレベルの仕事をバリバリこなしながら、自分を見つめなおし、
葛藤しながら、特に父親には複雑な思いを持ちながら、
女性として生きていくことを決める様子は感心させられるものがあった。
読み手に響く文章だった。
昔の性同一性障害、今は普通にトランスジェンダー。
その心の移り変わり、もちろん十人十色だろけれど、
ママの気持ちは十分のぞかせてもらえた、と満足できる内容だった。
仕事で成功した人のトランスの話だからかっこよいだけ、
実際はもっとつらいトランスの方もたくさんいる、それは分かる。
私の前の職場で、ママと同じ状態の人は仕事の中身が理由で配置転換させられた。
いろんな人がいるのだ。たまたまその人がトランスかどうか、というだけの話。
娘に対する思いがこういう形の本にさせたんだろうなー。
Posted by ブクログ
トランスジェンダーとか関係なく、そもそも優秀で人より努力ができる人というイメージ。だからこそ、自分の思い描く人生を実現できたのでは。
ストーリーの構成とかはさすがプロという感じ。面白かった。
Posted by ブクログ
この作品のタイトルの通りの内容なのですが…谷生俊美さん、私この作品を読むまで名前も申し訳ないことに知りませんでしたね(汗)。
読めば読むほどにスゴイ人!浪人して国立大学に入学し、留年して見識を広げ、大学院に進み、日本テレビに入社、その後は公私ともに世界中を渡り歩き、生命の危機に見舞われたり…。性的には男性だけれど、姓自認は女性…その思いは小学生のことから徐々に大きくなって、現在はカミングアウトして自分らしく女性らしくありたいと、日々努力しておられます。ある意味、私なんかより女性らしい(汗)。
そして、パートナーは一般的な女性のかあちゃん…かあちゃんは、児童福祉分野のスペシャリストでやはり海外でそのスキルを磨いておられた方です。そんなふたりの子ども…ももちゃんにあてた手紙、しかもももちゃんが12歳頃に読むのを想定したお手紙、この作品丸ごと一冊!!ももちゃんに対しての深い愛情が感じられます。将来ももちゃんが、堂々と生きていけるようにしたためたものになっています。
ももちゃん誕生の場面が描かれた部分、泣けました!(3回は泣けなかったけど)
…。トランスジェンダーのママだからということではなくて、当たり前のシーンに感じました。これから、ももちゃんも、ママも、かあちゃんも悩むこともあるかもしれないけれど、いろんな家庭があるのが当たり前の社会になればいいですよね!
(あ、それと、谷生俊美さんの写真見て、マカンマランのシャールさんってこんな感じなのかな?とか、想像しちゃいました!!)