感情タグBEST3
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父親の遺品リメイクの仕事を引き継ぐことになった主人公。遺品に込められた想いが重なり、遺された人にとって大切なものへと変わっていく。最後は涙を流してしまう。想いを馳せたい人に。
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使っていると亡くなった人の声が聞こえる不思議な足踏みミシン。遺品リメイクという仕事をひょんなことからやるハメになったみどりはミシンをかけながら亡くなった人の想いを聞くことになる。
依頼してきた人のリメイクを頼む理由もさまざま。生きている時に伝えていなかった言葉をみどりを通して伝えたい。それは遺された人にとってどのようなものなのだろうか?
逝ってしまった人と遺された人の想いは必ずしも同じではない。思い出もいい話ばかりではない。どんな人も「死んだらみんないい人になる。」それは本当なのだろうか?
生きている人は何かに頼りたくて遺品リメイクを依頼するとではないだろうか?
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アパレルメーカーを業績不振により解雇され、呆然自失となっているところに一通の手紙が届く。
それは、佐賀県唐津市の不動産会社からで父が亡くなり賃貸物件の明け渡しをお願いしたいとのことだった。
3歳の時に離婚した母といっしょに東京に出てきて以来、会ったこともなく無関係だと言ったものの、泣きつかれ断りきれず唐津へ。
そこで、父は3年前からテーラーの仕事を辞めて遺品リメイクを請け負っていた。
すぐに手続きを済ませ、引き返すつもりが、残っていた注文の催促があり、仕方なく引き受けることに。
ミシンを使っている最中に亡くなった人の声が、聴こえてきて…。
亡くなった人の声のメッセージ。
その想いとともにリメイクの品物を作り届ける。
父が3年前にこのリメイクをやり始めたのも母が亡くなったと聞いてから供養のつもりで、置いていった着物でお守り袋を作ってるとミシンから母の声が聞こえたと…。
なんとも不思議で。
だが、また娘もミシンから声を聞くという…。
言いたいことも言えなく亡くなった人のほんとうに伝えたい想い。
それを誰かに伝えてほしいという願い。
思い出のものをかたちを変えて、いつまでも持っていられるのは嬉しいことだ。
それにプラスアルファで、ことばがついてくるのだから。
驚きよりもなぜかふっと微笑ましくなるような、そんな気持ちになった。
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悪い事は重なりどん底の主人公の中村みどり。両親の離婚で3歳から会ってない父親の遺品整理で佐賀県唐津市に行き、父親が使ってた足踏みミシンに出会います。そして父親のやり残した仕事"遺品リメイク"を足踏みミシンで代わりに嫌々やる事になります。遺品をそのミシンで縫ってると持ち主だった人、あの世にいる人の声が聞こえてきます。この時点で私が好きなジャンルの本だと思い、読むのが楽しみになりました。
父親の愛、淡い高校生の恋、母親の愛、ちょっと勘違いしている大学の教授、20年前に亡くした婚約者を思う女性、最後に主人公みどりの両親。それぞれの思いをみどりが聞いて、あの世にいる人の願いを代わりに叶えたり、遺された人の心を癒していきます。あの世の方とみどりが会話をしてるシーンが面白いし、どれもジーンとくる話ばかりで良かったです。大学の教授の話だけちょっと違ってクスッと笑えたけど、本人は満足してあの世で過ごしてるからいいか。みどりも父親と母親の事が知ることができ、前向きになれて良かった。
私が一番気になったのが、母親の愛の話。300万円の着物をリメイクしてトートーバックを作り、3人の娘たちに渡したいということなんだけど、なかなか上手く事が運ばない。母親がギャンブルにのめり込んだ理由、本当は母親がどんな思いをしてたのか?それが分かった時、三姉妹は母親に対する気持ちが変わるのか?私としては、トートバッグを受け取って大切に使ってて欲しいな。しかし、お金が絡むと人間は怖い。
物語の始まりに『脳みその奥底には一生上書きされない音がある』と書いてある。主人公みどりはミシンの音だったけど、私だったら何かな?好きな音とはまた違うと思うし。いつか、この音だって分かる時が来るのだろうか?
初めて読む作家さんでした。文章が丁寧で読みやすかったです。