あらすじ
1杯の紅茶を通して見えてきたのは、19世紀から時がとまったような、あまりにアンフェアなこの世界の苦い現実。
スリランカの紅茶プランテーションでは、
きょうも女性労働者は茶葉を手づみし、男性労働者は肉体労働に汗を流します。
封建的な労働環境・不衛生な住環境・社会からの差別的な待遇……
人生の選択肢は望まなくてもただ一つ。
母も父も祖母も祖父も、みんな同じように農園労働者になってきました。
閉ざされた社会のシステム、暮らしぶり、そして差別。
21世紀にもなって、あまりにアンフェアなこの世界の現実。
日本で紅茶を飲む私たちにできること。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
スリランカの紅茶プランテーション農園に生まれ、働く人々の生活が、100年以上も前の植民地支配の時代からほとんど変わっていないという衝撃的な現実を知ることができます。文体は平易でページ数は少なめなのでジュニア(中高生)向けだと思います。大人ならさっと読み終えることができるでしょう。高校地理では、スリランカは南アジアの国で気候は熱帯、茶の栽培が世界的に有名、かつて仏教徒のシンハラ人とヒンドゥー教徒のタミル人の対立から内戦があった、ことくらいしか学びませんが、この本からはもっとたくさんのリアルが学べます。フェアトレードやSDGsについてもほんの少しですが触れられています。