【感想・ネタバレ】「ひと粒五万円!」 世界一のイチゴの秘密のレビュー

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Posted by ブクログ

イチゴ 1粒五万円。なんと、威勢のいいことだ。夕張メロンが2玉で250万円。222キロのマグロが1億5540万円。石川県のぶどうルビーロマンがひと房100万円ということがあるから、不思議ではない。岐阜県羽島市の奥田農園 奥田美貴夫が、その偉業一粒5万円のイチゴを成し遂げた。要するに、イチゴの1個の重さが、100gを超える。形状は、イチゴの形をしている。通常のイチゴの1個の重さが15gから20gだとするならば、驚異的な重さと大きさ。なんか、ワクワクしてくる。
品種の名前は「美人姫」、であり商標登録をとっている。美人姫の両親は不公表。岐阜県作出の濃姫、アイベリー、紅ほっぺの3品種を交配して作ったという。アイベリー(1983品種登録)は、40g級の大粒が珍しくなく、60gを超える巨大な実をつけた。これも、両親は明らかになっていない。私がイチゴの苗事業をしていた時は、アイベリーは花形だった。美人姫は、100gのイチゴを目指した。80g以上を高級品とした。糖度は13〜15度。やはり、日本一であり、世界一だ。
奥田美貴夫は、昭和28年生まれ。農家の次男坊。父親はトマト、キャベツ、十六ササゲの野菜を作っていた。奥田は、高校を出て就農した。奥田が21歳の時に父親が死に、長男が稲作、次男である奥田美貴夫は、畑作を受け継ぎ、そしてイチゴに挑戦。しかし、農協の手数料主義に呆れて、独自に販売を始める。イチゴ無人自動販売機を作って売るというのは、なんとも商才がある。
そこから、美人姫の育種を始めるのである、実現する。80g以上のイチゴを高く売る。農家は、作ったものを自分で価格を決めていいのだ。その発想や行動力が面白い。ただの育種家だけではない。ホームページやネット販売も積極的に取り入れる。
あっぱれだ。
石川県の加賀百万石 100万円ぶどう ルビーロマンの物語も書かれている。地域ブランドとして成り立たせる巧みさが石川には、あるね。

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2021年03月07日

Posted by ブクログ

第一部と第二部の文章量のバランスに大いなる謎が。。。
最後にあとがきやまとめがないので、奥田農園と石川県農業試験場の事例対比を通して、今後の6次産業の可能性と克服すべき問題提起の展開を期待したが肩透かしを食らった感が残るのが何とも。これは、自分で問いと答えを出せという高度な先生からの問いかけか!?

p.39
大田市場仲卸業者の社員曰く、「ここには全国からいっぱい作物がきます。そのうちいいものは売れますが、売れないものはゴミになります。家庭のゴミならただで捨てられますけど、ここで出たゴミは有料で回収してもらっています。だから、売れないゴミを送ってこられると、こっちは大損なんです」
彼の言葉に、一同の表情が一瞬で凍りついた。
→ 本音って、何気ないところでついポロっと出ちゃうよね。でも、このポロっと出た一言がきっかけとなって美人姫が出来たのかもしれないと思うと、人生何が幸いするかわからんものですね。

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2019年11月08日

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