あらすじ
インド最北部ヒマラヤの西のはずれにあるラダック。そこには決して怒らない人々が暮らしている――。その言葉に誘われるようにラダックを旅した著者の贖罪と再生を描いた私小説的旅紀行。ラダックの街の道端で見つけた凍りついた犬の屍体。徐々に明らかになっていく旅の理由。ラダックの荘厳な自然と現地の人々のおおらかさに包まれながら過去から解放されていく著者の姿が描かれる。2020年度「わたしの旅ブックス新人賞」受賞作。
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Posted by ブクログ
山本高樹さんの「冬の旅」そして、「旅は旨くて、時々苦い」を読んだ後、同じラダックを旅したこの本を手に取った。少し話がわかりにくいところもあったけれど、面白かった。最初は軽い語り口だったところが、後半になって、冬の自然に対する自分の無力さや、ラダックの旅に対する想いが語られる。最後の父親との話は特に心を打たれた。
自分は度々「生きる」ということについて考えることがある。なかなか簡単に答えが出るようなものではないけれど、この本を読んで、改めてわからなくても生きていくしかないんだよなあ…という気持ちになった。
Posted by ブクログ
本の帯にあった
インド北部のラダックには
決して怒らない人びとが暮らしている。
との言葉にひかれて読みました。
でも、怒っていました・・・それも結構強く
でも、同じぐらい暖かで柔らかく笑顔のようでした。
高名な僧侶が作者に
「怒って何かいいことがあったかい。君には知恵が足りない」
と話し、その後に言った言葉が
心に刺さりました。
私も自分の中の怒りを持て余していたので。
旅の本ですが写真は1枚も掲載されていなくて
それが却ってラダックの風景や、人々を
作者の文章から想像することが出来て良かったです。
読書中、私も
遠い遠いラダックに旅をすることが出来ました。
Posted by ブクログ
ラダックはどんなところなのだろう。
ラダックを旅するというのは、どんな気持ちなのだろう。
きっと一人一人違う気持ちなのだろう。
自分が旅をしたらどんな気持ちになるだろうと、著者に重ねてみる。
ラダックでマーモットを見てみたい。スノーレパードよりも。いつか。