あらすじ
★英文を細部まで正しく読み解くために
一般の学習参考書では盲点となりがちな英文法・語法168項目を、大学入試の実例で解説しました。
英語教員(志望)の方、難関大学受験生、英文読解の精度を高めたい方、英文法・語法好きの方など、既存の辞書・文法書ではどうも足りない気がしてモヤモヤするという方におすすめです。
(※本書は『「読む」ための英文法』(駿台文庫)の増補改訂版に相当します。)
〈目次〉
本書の使い方
第1章 時制・助動詞・仮定法
第2章 文型・受動態・動詞
第3章 不定詞・動名詞
第4章 分詞
第5章 比較
第6章 関係詞
第7章 節・接続詞
第8章 名詞・代名詞
第9章 形容詞・副詞
第10章 否定関連表現
第11章 前置詞
第12章 イディオムなど慣用表現
[Appendix] 気づきにくい熟語
主要参考文献
著者紹介
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Posted by ブクログ
英文を読んでいて、なんとなく意味は取れるかもしれないけどちゃんと文法が説明できないような事項(「文法」としては教わらなかったような構文や語法など)、誤読しやすい箇所を中心に、主に大学受験で出た英文をネタにしながら、文法項目別に網羅しようとしたもの。最近出た似たようなコンセプトの本としては、本書の著者と同じ予備校講師の山﨑竜成という人が書いた『知られざる英語の素顔』という本があったが、あれは本当に受験生一般に知られていない言語事実を集めたもの、という感じがあったが、それはもっと基礎的な(というか少なくとも受験生なら知ってても良いような)形についてまとめられている。
基礎的な、と言ってもタイトルにあるように「上級英文法」の中では基礎的な部類、あくまで中級から次のレベルに行くためには必要なレベルの事項が多い。例えばShe will make a wonderful mother.の「〜になる」の意味のmakeとか、as if to say, as if by magicとか、than is necessaryとか、描出話法とか、Such is S that SVとか、最上級のimaginableとか、そういうレベル。確かに難しいけど、英語をちゃんと勉強した人なら、何度かは出会ったことあるだろう、というもので、山﨑先生ほどのマニアックさ(?)みたいなものはなかった。そういう意味では、自分が上級にいるのかどうかを知るためのチェックができる本、という感じ。…と偉そうに言ってるおれも、知らないというか、そう言われてみればそうだ、というようなことが多く、とても勉強になった。特にどう和訳すれば分かりやすいか、という部分は、結構なあなあにしてた表現があるなあと反省する。
全部書き出すとたくさんになるので、少しだけ。まずpp.169-70のmuch (a) part ofの話。Women are very much a part of the military.だったら、「軍隊の一部としてすっかり定着している」とか、文修飾副詞のarguably(p.175)は「〜と言っていいだろう」とか、not leastはespecially(p.186)とか、イディオムnot without Aは「Aがないというわけではない(それなりにある、少なからずある)」(p.196)、There is an important sense in which SV.(SVと考えることも、ある意味においては重要である)(p.228)とか。最後に「気づきにくい熟語」という付録があって、これそのまま高3の生徒に配って覚えさせるのは有効かも、と思った。(24/04/01)