あらすじ
有意義な対話のためのレベル別・超実践ガイド
分断と二極化の時代、考えが極端に異なる人とも礼節と共感を保って会話・対話をするにはどうしたらよいか? 友人や家族との会話、ビジネスでの交渉、SNSでの議論……よい会話のための入門級の基礎知識から、強硬派・過激派に対処するための達人級のテクニックまで、すべてを網羅した実践的マニュアル。
リチャード・ドーキンス氏推薦
「すべての人がこの本を読めば、世界はもっとよい場所になるだろう」
戸田山和久氏推薦
「著者たちの思想も行動も気に入らない。なのに、本書には学ぶべき価値あることがギッシリつまっている。というわけで、私は、極端に考えが違う人たちから「根本的に異なった考えをもつ人と語り合うスキル」を教えてもらったのだ。稀有な読書体験を与えてくれた本書に感謝。分断のあっち側にいる人もこっち側にいる人もぜひ読みましょう」
【目次】
第1章 会話が不可能に思えるとき
第2章 入門:よい会話のための9つの基礎
──通りすがりの他人から囚人まで、誰とでも会話する方法
第3章 初級:人の考えを変えるための9つの方法
──人の認知に介入する方法
第4章 中級:介入スキルを向上させる7つの方法
──(自分を含む)人の考えを変えるための効果的スキル
第5章 上級:揉める会話のための5つのスキル
──会話の習慣の見直し方
第6章 超上級:心を閉ざした人と対話するための6つのスキル
──会話のバリアを突破すること
第7章 達人:イデオローグと会話するための2つの鍵
──動かざる人を動かす
第8章 結論
謝辞
原注
監訳者解題
参考文献
索引
【著者・訳者】
ピーター・ボゴジアン(Peter Boghossian)
1966年生まれ。アメリカ合衆国出身の哲学者。主たる関心は、批判的思考や道徳的推論の教育に関する理論とその実践。ソクラテス式問答法を活用した囚人教育プログラムの研究によってポートランド州立大学から博士号を取得し、2021年まで同大学哲学科で教員を務めた。意見を異にする人びとが 互いの信念や意見の根拠について理性的に話し合うためのテクニックである「路上の認識論」(Street Epistemology)を提唱。著書に、『無神論者養成マニュアル』(A Manual for Creating Atheists , 2013)など。
ジェームズ・リンゼイ(James Lindsay)
1979年生まれ。アメリカ合衆国出身の文筆家、批評家。テネシー大学ノックスビル校で数学の博士号を取得。宗教やポストモダン思想の問題を分析・考察する論考を多数発表している。著書に、『「社会正義」はいつも正しい――人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』(ヘレン・プラックローズ共著、山形浩生+森本正史訳、早川書房、2022年)など。
藤井翔太(ふじい・しょうた)
1987年東京都生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、テンプル大学大学院教育学研究科修士課程修了。関心領域は応用哲学、教育哲学。現在、テンプル大学ジャパンキャンパス アカデミック・アドバイザー/講師。訳書に、ナンシー・スタンリック『アメリカ哲学入門』(勁草書房、2023年)、ドナルド・ロバートソン『認知行動療法の哲学――ストア派と哲学的治療の系譜』(共監訳、金剛出版、2022年)など。
遠藤進平(えんどう・しんぺい)
三重県津市生まれ、愛知県名古屋市育ち。慶應義塾大学文学部人文社会学科哲学専攻卒、アムステルダム大学論理学修士課程修了(Master of Logic)。現在、シドニー大学博士課程(Philosophy, PhD)。曖昧さや様相といった伝統的な哲学のトピックから、冗談や脅迫、挨拶のようなコミュニケーションの(ときに哲学分野では非標準的なありかたとして放置されがちな)諸相に関心がある。業績など:https://researchmap.jp/shimpei_endo
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Posted by ブクログ
アメリカ大統領選でも報じられた通り、いろんな場面で分断が大きな話題になっています。SNSでも意見が違うだけで誹謗中傷合戦、こんな場面を目にする機会も多いのではないでしょうか。
そういう強めの言説にうんざりして、もっと穏やかに話せればいいのにと思った時に、この本に出会いました。
内容は、対話のコツや実践的フレーズがレベルごとにごとに書かれています。
特に印象に残ったのは、「論理より感情に寄り添うべし」という点です。人はエビデンスでなく、自分が信じたいもので考えが決まることが多いと書かれています。いわゆる論破とか、証拠を突きつけることは相手のガードを高めてしまい対話には逆効果なんだそうです。思い返せばすごく身に覚えがあって、目から鱗でした。
この本の全てを実践するのは無理ですが、少しずつ実践しています。職場や家庭で意見が対立した時、焦らず落ち着いて話せるようになった気がします。
内容は素晴らしい、けど少し読みにくい。なので今回は星4としました。
Posted by ブクログ
ジャンル的には…会話手法本?
日本だとあまり馴染みがないかもだけど、分断が激しいアメリカだと特に実感できる一冊…なのかもしれない。
筆者達の意見は個人的にすごい正しいと思っていて
1.人は事実で考えを変えない。それがアイデンティティに根ざしている場合は特に
2.もし変えようと思うのなら、まず良好な関係を築かなければならない
3.「学習」を通して、私とアナタの意見を細かく掘り下げ合おう
というのが基本骨子かな。あとはそれをどうやって実践するかの流れだと思う。
うん、まぁ、言ってることはこんな感じで正しいと思うんだけど。
筆者の「それお前が言う?」感はすごいんだよな。監訳者も言ってたけど、エピソードを聞けば聞くほど、この人たち出来てないでしょ…というのは思う。アドラーほどじゃないけど、「誰が言ったか」も大事だよなぁ、とかなんとか。