あらすじ
2022年7月、都内の病院で死去した女優・島田陽子さんの遺体の引き取り手はなく、居住区だった東京都渋谷区が引き取り火葬した。21年度、自治体が遺体を葬ったケースは約8600件に上る。高齢化と孤立化で「無縁遺骨」になる可能性は誰にでもある。その実態と墓じまいの現状を追う。
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Posted by ブクログ
俳優島田陽子さんが無縁遺骨になったことがニュースになっていた。
このルポは、それが特殊なことではなく、我々にも身近なテーマであることを
切々と語っている。
先日、桜満開の中、八柱霊園を花見ランした。
広大な敷地。千葉県松戸市にありながら、所有は東京都。
都民と、松戸市民がここに入ることができることは知っていた。
東漸だが、どこもかしこも墓だらけ。
そんな中、無縁仏のお骨もここに来る、というのはこの本を読んで初めて知った。
実際私自身、墓についてはいろいろ考える。
すでに両親は他界しているが、妹が見る形になっている。
が、妹は独身。今年で定年。このあとどうすることやら。
その意味で私は自分で墓を建てることもできるわけだが、
その気はない。
町を墓だらけにしても仕方ない。
樹木層でも散骨でもいい。八柱にその制度がなければ合同葬でも、、、
そのあたりをどう考えればいいかが、この本には書いてある。
少子化で、これからは少ない若者が遺骨を背負うことになる。
そうさせては申し訳ない。
将軍家だって墓じまいするのだ。
自治体で対応、といっても、原資は若者の税金だ。
貧しくなっている日本。
パイの取り合いで国会議員や役人がやくざのように自分の利益だけ考えるのでなく、
市民目線で国富を市民に配布してほしいものだ。
こうした終活、遺骨にも目を向けて。
Posted by ブクログ
遠くない将来、様々な面で本件絡みの社会問題が発生してくるのだろうな、ということが感じられる一冊だった。現代社会において、死そのものも多様化しつつあるものの、「こう取り扱うべき」という指針が整備されていない。そのため地方自治体や業者などは独自の判断で動かざるを得ないケースが多く、苦労をしている様子。国も認識はしていて対策を取ろうとしているみたいだけど、間に合うのかな。
Posted by ブクログ
前半は孤独死の多さ、行政の負担などの話、後半は具体的な死後の準備について事例が多く挙げられていた。
2021年に私自身実家の墓じまいをしたときは、まだ珍しがられたけど、2年ほどで、当たり前にするもんだという感覚の人が増えてきた気がする。
団塊の世代がどんどん亡くなってきて、空き家がここ2、3年ですごく増えてきている気がしてきたけれど、家だけでなく、墓も無縁墓が増えているんだと今更ながら気づいた。
Posted by ブクログ
はじめに、と著者が記しているように、誰しも「無縁」になる可能性がある中、自分はどうなるのだろうと考えながら読み進めた。
自ら選んで無縁になる人、結果として無縁になってしまった人、死生観を試されている気分だった。
著者は大伴旅人の歌から、無縁でも何とかなると心を軽くした様だが、果たして私はどうだろうか。