【感想・ネタバレ】蒼天の鳥のレビュー

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Posted by ブクログ

江戸川乱歩賞受賞作。「ためし読み」で隣県の鳥取が舞台と知り手に取った。時折りgoogle mapを参照しながら読み進めた。
おもしろかった。
終章まで、主要な登場人物が実在する人だと知らなかった。尾崎翠ってもしやと思って調べると何と、いた。田中古代子も娘も旦那も時代と結びつく人だった。名探偵の娘千鳥がこの後わずか7才で亡くなったことも知り、現実のままならぬ厳しさに肩を落とした。

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2024年01月08日

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素晴らしい書籍に出会えたものだ。大正時代の情景表現もよく父が話してた事と重なっていて思い出してしまった。登場人物も実在する名前が出てくるしその上ミステリーときたもんだ。謎解きも興味津々で最後まで読者を惹きつけて離さない!

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2023年11月06日

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令和5年の江戸川乱歩賞受賞作品です。

ミステリー小説というより、大正期を舞台にした
時代小説を読んでいるようでした。

そう、舞台は大正時代です。場所は山陰の鳥取。

しかも登場人物は実在したようでして、そこは
歴史小説でもあるのかな。

与謝野晶子や平塚らいてうを筆頭に「表現する」
「発信する」女性を目指す主人公が事件に巻き
込まれ、それを探偵の如く解決します。

と書いてしまうと単純に思えますが、大正時代
という雰囲気が文面から非常によく表れていて、
まさしく江戸川乱歩氏の時代を彷彿とさせる一
冊です。

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2023年10月22日

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読み始めは大正浪漫あふれる女流作家のお話かと思いきやだんだんとスリル満点の事件が起きるそして解決したと思ったが意外ない結末に読む手が止まらず近年稀に見る傑作の乱歩賞でした。

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2023年07月26日

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江戸川乱歩賞受賞作。大正時代の女流作家・田中古代子は「兇賊ジゴマ」の活動写真を見に行った最中の殺人を目撃し、自らも命を狙われることになる。社会革命運動が活発な時代、不穏な輩が活動する中で身を護るために、彼女は利発な娘や内縁の夫とともに危難に立ち向かうことにする。息もつかせぬ展開の活劇ミステリです。
当時の時代情勢や雰囲気がたっぷりと味わえる作品です。その中で当時の女性としては逞しく生きようとする古代子や尾崎翠といった女流作家の姿が清々しくて素敵でした。そしてなんといっても、幼いながらに利発で勇敢な千鳥のキャラクターが良いです。子供らしいところがありつつも、大人顔負けの洞察力。主役であり探偵役であるのは古代子なんだけれど、千鳥の印象がとても強かったです。なので後日談の部分はけっこう悲しくて、これは知りたくなかった、と思ってしまったのですが。事実なので仕方がないのですね。
とにかくスリリングな読み心地は圧倒的です。特に古代子が活動写真の弁士をするシーンにくぎ付けでした。惚れ惚れしてしまいます。

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2023年10月15日

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江戸川乱歩賞受賞の作家さん。
大正期の鳥取の小さな村を舞台に実在の作家達をモデルにしたミステリー。
鳥取座での活劇もどきの始まりからぐいぐい引っ張られてあっと言う間に読み終えた。ミステリーと言うより物語性が強めだったが当時の生活感、世情がとてもリアルだったので、この事件さえ実録物ではないかと思った程
絶対に映画化して欲しい作品。

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2023年10月10日

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第69回江戸川乱歩賞受賞作。何故に大正時代、何故に舞台が鳥取?と思ったが主人公が実在の人物でそのバックボーンも全部盛り込んだのだからしょうがない。
ストーリーやミステリー的な要素も受賞作にしてはどうかな~と思ったが、何度も言いますが、実在の人物そのままを史実的な事も織り込んでのフィクションなのだからもう納得である。昔受験国語の文学史かなんかで尾崎翠という名前だけは頭の片隅に残っていたが著書は読んだことがない。今度読んでみようと思う。これも読書の醍醐味。

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2023年10月09日

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第69回江戸川乱歩賞受賞作。
作者の三上幸四郎は脚本家。

大正時代の鳥取を舞台に、実在した女流作家と夭逝した文人田中千鳥が巻き込まれる騒動。
何重にも仕掛けられた伏線の上を、ドラマが駆け回る。
ドラマらしく、ちゃんと色もある。
これは映画か2時間ドラマで観たい大活劇であった。

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2024年02月09日

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ネタバレ

江戸川乱歩賞受賞と知り手に取りました。
力強い物語に引き込まれ、最後まで物語の展開が気になり、あっという間に読み終えました。
千鳥と古代子の激動の物語、鳥取を訪れた際には是非立ち寄ってみたいと思わせてくれる作品でした。

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2024年01月20日

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鳥取市が舞台ということで、同じ山陰に暮らす者として、まして先日も訪ねたばかりなので街並みを頭に浮かべつつ読んだ。田中古代子は実在したようだけれど、これまで知らなかった。なかなか先鋭的な人物ではありませんか。結局、夫の涌島義博とともにアナキストということでよろしいですか?これ、ミステリー的にはどれほど魅了を感じんのですが、古代子や翠が時代を切り拓いていこうとする生き方に共感させられる。ようは無理してミステリーに仕立てなくてもと思ったり。実際は知らんけれど、あんなにミグレニンなる鎮痛剤に頼れば心身に障ります。

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2023年12月27日

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大正時代の実在の人物をモデルにした話なのだが、その実在の人物を全然知らないので、さほど興味を引かれなかった。時代は大正だが、文章も大正ぽくて、私はそこが苦手かな。まあ、それなりのミステリーかな

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2023年11月12日

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大正浪漫の香りのする鳥取の村、東京の文壇に憧れる女性たち、社会主義者やアナーキストたちの暗躍に活弁「怪盗ジゴマ」。印象は色々な物が一緒くたに詰め込まれた玉手箱のよう。尾崎翠の第七官界彷徨の創られる様子や田中千鳥の生き生きとした才能の煌めきの描写など真実のようなフィクションだ。

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2023年11月02日

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ネタバレ

第69回 江戸川乱歩賞 受賞作。

江戸川乱歩賞作品にしてはミステリーに意外性が無いのが残念です。
しかし、作者がこの時代、この場所を舞台にして、作者の地元の実在の人物である田中古代子、千鳥の母娘を世に知らしめることを第一義としている気持ちはひしひし伝わってくる良作だと思います。

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2023年10月27日

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この夏、登った鳥取城跡と美しい洋館思い出しながら。大正時代の雰囲気、充分醸し出され、時代小説読んでいる気分に。後半の謎解き、少しくどくて…。脚本家ということで、これからも期待。

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2023年10月11日

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歴代の乱歩賞作家には、受賞時に脚本家として名を馳せていた方は居られました。
脚本家であり、受賞作が「実在の人物が探偵役」と聞いた時、なんか嫌な予感が過ぎりました、「乱歩賞史上に残る、あの超迷作の再来か?」と。
まぁ、そこまでは行きませんでしたが、自分の評価は低いです。
ミステリの部分よりも、物語としての部分に傾いているからか、物足りなさを感じます

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2023年09月30日

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大正13年の鳥取で女流作家である田中古代子は娘の千鳥と東京に引っ越しする予定でいた。
その直前に楽しみにしていた活動写真を観劇中に火事が発生し、それに紛れてこの母娘が目撃したものは…。

その日以降、母娘は誰かにつけられて襲われる。
内縁の夫の助けがあり、難を逃れるがそれからも周辺が気になる母娘は探偵となるのだが、7歳の千鳥の賢さには驚く。
母である古代子の思考や行動力もこの時代には目立つものがあるだろうが、それを感じさせないほどである。
活動写真上映での女性弁士の口上は、素晴らしく途中のアドリブも凄さが際立った。
ここからは息を呑むほど勢いを増していく。

最後は、千鳥の観察力に驚く。
もう終わったとばかりに思っていたのだが、驚きである。




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2023年09月19日

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