あらすじ
◆大阪高裁家事抗告集中部の事例研究をベースに、最新の面会交流の事例、審判・裁判例を加えて構成し、面会交流の適否やその在り方を解説しています。
◆裁判官、家庭裁判所調査官、家事調停委員、弁護士、当事者等の様々な立場から寄せられた質問をまとめ、調停を進行する立場の視点から「ケース」を随所に設けて解説しています。
◆元大阪高裁第9民事部部総括判事の執筆による客観的な視点に基づいた内容です。
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Posted by ブクログ
あれー期待したほどよくなかったぞ???というのが率直な感想。
というのも多分構造的な問題で、副題に「裁判官の視点に見るその在り方」とあるとおり裁判官の目線で書かれていること。同著者の財産分与や婚姻費用の本はどちらかというと理論が大切な論点を扱っているために中立的な裁判官から見た主張立証の在り方というものが理論的に解明され、それを参照することは弁護士にとって大変有用だった。
他方で面会交流の本で裁判官ができることは先例の参照や先行研究の引用でしかないんだよね。別居親側の泥臭い努力や同居親側の激しい葛藤の調整の難しさといった面会交流特有の困難さみたいな、理論面と同等かそれ以上に労力を割かれる実践面への言及はできない。そういう面は全面的に弁護士が担っていて、裁判官は希釈化された書面で報告を受けることしかできないから。
理論面で参考にはなると思うけど、高葛藤の面会交流調停・審判という場面以外で使える?
いや期待しすぎていただけで、じゅうぶん優れた本だというのはよくわかってるんだけどさー。。を