【感想・ネタバレ】法と社会 新しい法学入門のレビュー

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Posted by ブクログ

入門書としてとても読みやすい。
文化の一部であり、個人間または権力と個人の間の争いを安定させる社会統制の一種でもある法が、どのような変遷を経て現在に至り、今後どのような課題が残されているのかを分かりやすく述べている。

法を社会工学として捉える考え方はとても納得感があった。

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2023年05月02日

Posted by ブクログ

ありがちな法学入門の本とは全く異なる、まさに「新しい法学入門」。もっと早くこの本と出会いたかった!

各国の法学の特徴や法学史といった、法学を学ぶ上で知っておきたい事柄が広く押さえられている一冊。
ただそれにも増して個人的に嬉しかったのは、法学を「社会工学」と呼び、人類学や社会学、心理学、言語学などの諸分野と隣接した文化の一部とする著者の捉え方だった。

実定法の解釈が殆どを占める法律学習において、(歴史的にもそのきらいはあったようだが)法学徒はとかくタコツボ型の法律観に陥りやすい。
その中にあって臆することなく経験科学に目を向け、教養溢れるたとえや注釈を多用する著者の姿勢は、ともすれば内容以上に希望に満ち満ちたものに、私には思えた。

初学者だけでなく、条文に溺れて法学の奥深さを見失いかけている学部生にもお勧めしたい一冊。

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2022年06月30日

Posted by ブクログ

法というものを言語による社会統合の技術の一種ととらえ、社会・言語・宗教・歴史・哲学等の社会科学の視点から分解・研究した一冊。法だけを学ぶのではなく、当時の社会情勢や人間について理解をした上で法を学ばないと真の理解はできないと再確認。

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2020年12月24日

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大御所の書いた入門的新書でもこれはかなりおもしろい。弟子筋にもすごい人がいて、研究も教育も啓蒙も大した著者であった。

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2013年09月25日

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法の成り立ちから、出版されたときまでを概観した好著。法の仕組みが分からないまま、三権それぞれの問題を論じたり、はたまた憲法とごっちゃに解釈している日本の状況からも、もっと読まれて良い本。

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2012年12月05日

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家族が著者と知り合いで、自宅にあったので読んでみた本。

一言でいえばかゆい所に行きと届く、法学の入門書だと思う。概論では、法学ではどんなことがあって、実定法を分けるとということが多いと思うが、著者の博識の文化論から法を位置づけ、宗教、哲学、道徳などの関係から、文化の一部である法学を、どのようなものであるかの全体像を理解させてくれる。

本を読んでいて思うのは、各論になれば専門用語と学説の説明をすることで知識量と見識が主に問われるが、このような本では素人に近い目線をもって簡単な言葉で書くことは逆に難しいと思う。

法学関係に進む人、法学に興味がある人はぜひ一度読んでみてほしい本である。

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2012年05月01日

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法を社会を説明する一側面と捉えており、法学のみに留まらない多角的な視点から法を論じているため、非常に面白いです。

新しい法学入門と副題がついていますが、まさに入門書としてお勧めします。
また法解釈学だけをやってきた人にとっても、立ち止まって根源に戻る意味でお勧めです。

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2011年08月24日

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名著。さすが40年近く経っても未だに読まれているだけのことはある。
本書は法と社会の関係を言語的、進化論的観点など様々な角度から論じており、その考察は非常に鋭い。法の具体的な内容にはあまり踏み込んでいないこともあり、ほぼ法学初心者の私でも理解するに容易かった。社会における法の果たす役割、及びそのフィードバック作用に関する考察は特に感心させられた。かなりオススメな一冊。

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2009年10月04日

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新書で入門書のつもりで読んだら非常に難しかった。法律は文化の一部で共同社会をうまく成り立たせるために規定しているものだからとても大事だと思う。時代とともに考え方、やり方が変化するので法律も変えていかないといけないと思う。日本国憲法が70年も改正されないのはとても不思議だ。とりとめのないことを考えさせられる一冊だった。

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2021年09月11日

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著者は、ラッセルやポパーの思想に造型の深い、法哲学の研究者です。本書には「新しい法学入門」というサブタイトルを持っていますが、いわゆる法学概論ではなく、著者自身の法哲学ないし法社会学の立場が強く押し出されており、そのぶんおもしろく読める内容になっています。

とくに著者は、ポパーの社会工学的な発想を受け継いでおり、立法の持つ「社会統制」ないし「社会統合」の役割を重視しています。また、法学史を簡潔に振り返った最終章でも、法社会学的な発想がどのようにして生まれてきたのかということに焦点を向けて解説がおこなわれています。

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2015年09月27日

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「新しい法学入門」と題してはいますが,入門レベルに留まらず,「法と社会」を凝縮された中に,慎重に選ばれた言葉で論じられており,大変,勉強になります。碧海先生は古くなってないですね。法哲学概論も長く品切れですが,再販してほしいです。

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2013年06月25日

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ネタバレ

[ 内容 ]


[ 目次 ]


[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年03月30日

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法とは何かを人類学、社会学など面白い切り口で説いている。
後半になるにつれて内容はやや高度になっていく印象。

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2021年04月12日

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法律を少し知りたいと思いで読んだが、自分には難しかった。専門用語も多数出てくるので、初心者向けではないかも。入門の本なのだが、途中わからなくなり、最後までそのままいってしまった。

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2020年10月16日

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1月?
[内容]
全章を通して、社会という観点から法を論じている。
第1章では、文化の定義から始まり、その一部として法を位置づけ、他の文化相互の関係に関して言及している(具体的には、言語、宗教、道徳などである)。第2章では、抽象的思考と言語という人間の特徴を挙げつつ、その能力が社会の中で果たしてきた役割を論じていく。ある社会の中で、人間がその文化のかたちに適合した行動様式を学習していく過程として、「社会化」をあげる。その過程で、言語の果たした役割を指摘している。それに加え、「社会化」と相互補完の役割があるものとして、「社会統制」がある。社会統制としてさまざまな分類があるがその一つとして、法的統制に注目して分析をしていく。第3章として、法の発展段階を説明する。とりわけ、古い時代の法改革の道具としての役割を果たしたものとして「擬制」と「衡平」を紹介している。第4章では、現代社会における法に求められる機能に関して述べている。冒頭では、非制度的手段の衰退の中で、法の果たす役割が重大になってきていることを指摘している。その中で、法の機能として、「第一次統制機能」と「第二次統制機能」に分割し、刑事法を具体例に説明している。第5章では、法学というテーマで、ヨーロッパ大陸法学とアメリカ法学の系譜を辿りつつ、日本の法学の発展に関する歴史を論じている。
[感想]
最初に感じたこととして、あまり法学の本という感じがしなかったということである。筆者の視点は、法学から社会を眺めているというより、社会から法学を眺めているようであった。そのため必然的に社会に関する視点を織り交ざり、法学の本という印象が薄かった。法はその中にもさまざまな問題をはらむものであるが、それに注目するのみではなく、法は社会の問題に対処するためのものであり、一般の人々も、もっと社会の問題に敏感になるべきであるという主張は印象的であった。決してその主張が古びたものではなく、現在に通じるものであるということは一抹の悲しさを感じてしまった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

1967年初版のかなり古い本ではあるが、法と社会の係わりを歴史を通じて知ることができる入門書。宮台先生のお勧め本のひとつ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

社会における法の運用や位置付けについて述べられた本。
本当に興味がないと、本気で難しい。法律学と言うより、法哲学に入ってくる話。
ただ「きまり」というのが何故社会に必要なのか、その合理的な説明がほしい人には、的確な答えを与えてくれる一冊ではないでしょうか。
中公新書刊。

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2009年10月04日

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