【感想・ネタバレ】人生に必要な年金の常識のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月13日

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頼藤太希(よりふじ・たいき)
㈱Money&You代表取締役/経済ジャーナリスト中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し、現職へ。資産運用・税金・年金・家計管理などに関...続きを読むする執筆、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力すると同時に、月400万PV超の女性向けWebメディア『Mocha』や登録者1万人超のYouTube『Money&YouTV』を運営。『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計100万部超。日本年金学会会員。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。

日本でもっとも古い年金制度は、1875年(明治8年)に創設された恩給制度です。佐賀県下の士族が中心となって起こした「佐賀の乱」や、日本が台湾に攻め込んだ「台湾出兵」で任に当たった陸軍や海軍の軍人が退職・死亡したとき、その後の生活の支えとして本人や遺族にお金が支払われました。

かつてはiDeCoに加入できる人が限られていましたが、制度改正によって対象者が徐々に拡大。 20 歳から 65 歳(または 60 歳)までの方ならば、ほぼ誰でも加入できるようになっています。2022年 12 月末時点の加入者数は278万人です。

小規模企業共済は、 個人事業主や小規模な企業の経営者・役員などがお金を積み立てて、将来事業を廃止したときの「退職金」を作る制度 です。掛金は月々1000円〜7万円までで、500円単位で設定可能です。

そこで、中央値と分布もあわせて確認しましょう。中央値とは、貯蓄金額の少ない世帯から多い世帯まで並べて、真ん中の人の値です。 60 代単身世帯の貯蓄の中央値は300万円、二人以上世帯の中央値は700万円。こちらのほうが、まだ現実に近い金額ではないでしょうか。 ただ、中央値も「貯蓄ゼロ」に引っ張られて下がってしまうため、万能ではありません。そこで、金額別の金融資産保有額の分布もチェックするというわけです。

一番多いのは、「金融資産非保有」。つまり、貯蓄ゼロの世帯です。単身世帯の 28%、二人以上の 20%は、貯蓄がありません。また、貯蓄が300万円未満の世帯を合計すると、単身世帯の半数近くとなる 46%、二人以上世帯の 35%が該当します。老後資金はあるに越したことはないのは当たり前ですが、実際には用意できていない人も相応にいるのです。

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、 公的年金では不足する分を補う「私的年金」と呼ばれる制度のひとつ です。自分で出した(拠出した)掛金を運用し、その成果を 60 歳以降に受け取ります。将来の受給額は運用次第で増えることもあれば、減ることもあります。

【iDeCoの掛金の上限額】 ●国民年金第1号被保険者 自営業者・フリーランス・学生…月額6万8000円・年額 81 万6000円 ●国民年金第2号被保険者 【会社員】 企業年金がない場合…月額2万3000円・年額 27 万6000円 企業型確定拠出年金のみある場合…月額2万円・年額 24 万円 確定給付型企業年金がある場合…月額1万2000円・年額 14 万4000円 【公務員】 月額1万2000円・年額 14 万4000円 ●国民年金第3号被保険者 専業主婦(主夫)…月額2万3000円・年額 27 万6000円

50 代からiDeCoを始めても、遅すぎることはありません。iDeCoは条件を満たせば 65 歳まで掛金を出すことができます。この間、働いて税金を納めているならば所得控除による節税効果を得られます。

iDeCoを先に受け取り、5年以上空けてから退職金を受け取れば、退職所得控除がiDeCoと退職金の両方に使えるため、税金を安くできるというわけです。退職金を先に受け取り、 20 年以上空けてからiDeCoの一時金を受け取ることでも、退職所得控除が利用できますが、こちらは現実的ではありません。つまり、 退職金とiDeCoの両方があるなら、iDeCoを先に受け取ったほうがいい、というわけです。

お金があることで選択肢が増えるという観点では、いかにたくさんのお金を得られるかは重要ですが、だからといって「お金を貯め込みすぎて使い切れない」というのもおかしな話です。 75 歳から年金をたくさんもらっても、使わなければ(使えなければ)意味がありません。「高級老人ホームへの入居の原資にする」などと考えて、お金を貯めるのもいいのかもしれませんが、志半ばで死んでしまってはもったいないですよね。 何事もバランスが大事。お金は使える時に使うという視点も大事 です。 お金を使う価値は、年齢が若いときのほうが高くなります。ですから、年金をもらいはじめても、貯蓄をあえて早めに取り崩し、 65〜 75 歳は多めに使う時期にするというのも、ひとつの考え方です。

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