あらすじ
いまや中東の地は、ヨーロッパへ世界へと難民、テロを拡散する「蓋のないパンドラの箱」と化している。列強によって無理やり引かれた国境線こそが、その混乱を運命づけたとする説が今日では主流だ。しかし、中東の歴史と現実、複雑な国家間の関係を深く知らなければ、決して正解には至れない。危機の本質を捉える緊急出版!
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Posted by ブクログ
混迷する中東の歴史について、中東を大国で切り分けたサイクス・ピコ協定だけが悪者扱いされているが、現地の諸勢力の意向を反映して細かく切り分けたセーブル条約や、それに反発したトルコ人による支配地域の拡大を諸大国に認めさせ、現在のトルコの国境をほぼ確定したローザンヌ条約も、あらゆる方法が試され、その度に済む土地を追われて、命を落とす人々を多く生み出した。
セーブル条約では細分化されすぎており、政治的にも経済的にも自立が困難だった。
結局は西欧や周辺大国による様々な思惑と介入、植民地化、侵略が昔から中東をゆるがしている。