あらすじ
出家者の悟りのための宗教として機能していた仏教が在家者の葬式のための宗教としても機能するようになったのはなぜか。布施、葬式、戒名、慰霊、追善、起塔それぞれの始まりを求め、アジア各地の仏教を探っていく。悟りを開いた出家者の霊力に対し、在家者が抱懐する聖者崇拝。布施をくれる在家者の要望に応え、出家者が受容する土着習俗。仏教学、民族学、文化人類学の成果をもとに、アジア各地に共通の背景を解明し、弔いが仏教となっていく過程を俯瞰する。
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Posted by ブクログ
悟りを求める仏教でなぜ葬儀をするのか、インド・中国・日本の文献を読み込んで明らかにしていきます。
『「悟り体験」を読む』(新潮選書、2019年)に続く「悟り学」の一環の書と、あとがきで説明する仏典翻訳家の著者は、次なる刊行書の構想として、『仏教はどう逝きなさいと教えているか』『仏教は霊をどう説いてきたか』『仏教は他者とどう関われと教えているか』『悟りと欲望』『悟りと酒』『悟りと動物』を順に書いていきたいと予告しています。