【感想・ネタバレ】バレエの世界史 美を追求する舞踊の600年のレビュー

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Posted by ブクログ

鑑賞者の立場からバレエの見方を知ろうと思い購入。

出来の悪い無駄に大きいだけのムック本、「バレエの世界へようこそ:あこがれのバレエ・ガイド」とは雲泥の差である。

社会発展史の中でのバレエ芸術の進歩を捉えている点では全くカテゴリーが異なるが、ジャズ音楽をそうして論じている本多俊夫著「ジャズ」と同じである。

音楽ファンとしてはノーテーションが楽譜と併記されているものが示されているのは素晴らしい。(p73,図3-5)

しかし写真や図版が小さく白黒である事は悔しい。

人形ファンとしては舞台で使われた衣装にも興味があるのだ。

是非補遺集としてカラーの図版を出版するか、優れた映像作家に依頼して動作の説明までした、補遺DVDを出版して欲しい。

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2023年08月20日

Posted by ブクログ

バレエの歴史600年。
宮廷貴族から一般大衆への道筋と、技術の進歩、
芸術への発展を、世界史の流れに沿って説明する。
序章 バレエとは何か
第1章 都市貴族の余興として芽生えたバッロ
第2章 フランス宮廷の祝典から誕生したバレエ
第3章 宮廷儀式・儀礼から劇場芸術へ
第4章 オペラと一体化したバレエの流行
第5章 オペラからの独立と演劇的改革
第6章 ロマンティック・バレエの隆盛
第7章 クラシック・バレエの確立
第8章 総合芸術となったバレエ
第9章 二十世紀バレエの飛躍
第10章 バレエ界の最前線
終章 バレエの美を支えるもの
参考文献、関連年表有り。

15世紀ルネサンス期のイタリアで都市貴族の余興であった
舞踏のバッロが、フランス宮廷に渡りバレエとなり、
宮廷舞踏から劇場舞踏へ。宮廷貴族から職業としてのダンサーへ。
そして世界へと広まり、貴族から新興ブルジョワジー、
庶民へと観客も変化してゆく。
19世紀後半のヨーロッパでの衰退とロシアでの隆盛。
総合舞台芸術バレエ・リュスの衝撃とその後。
世界各地に誕生するバレエ団。そして日本にも。
技術や技法の発展、舞台美術や衣装の変化、芸術性の向上へ。
更に、デジタルテクノロジーの導入やSNSの浸透にも言及。
新書で文字多めとモノクロ画像での体裁は難いかなと思ったら、
これが実に読み易く、興味深い内容でした。
世界史とリンクし、当時の国情と社会情勢等の
バレエの歴史的背景や、その時代の音楽や美術との関連、
思想や文学等についても分かり易く説明されています。
また、ロマンティック・バレエ以前が詳しいのも良かったです。
15世紀には既に振付の記譜があったことには、驚き。

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2023年04月17日

Posted by ブクログ

600年間を要領よく整理したタイトな記述で、著者のいう通り、「一気に」読める見事な教科書。初学者はここに書かれていて理解できない部分がなくなるように勉強を広げれば良く、また全て理解できる頃には何が不足しているかも自分で気付けるだろう。

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2023年11月30日

Posted by ブクログ

まさにバレエの世界史。誕生から進化を遂げ、世界に広がる600年の歴史が良くわかる。
大人バレエを20年続けているので、とても興味深かった。

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2023年07月27日

Posted by ブクログ

バレエが政治経済文化と関わり、時に政治に利用されながら、空間的、社会的、芸術的に広がって行ったのかがよく整理されていて読みやすかった。
歴史に名を刻むダンサーや振付家や支援者のエピソードや、彼らへの当時の評価の言葉も興味深い。
ロマンチック•バレエのダンサーでポワント技法を完成させたマリー•タリオーニへの賛辞「天上の花の上を花びらをたわめることなく薔薇色の爪先で歩く幸福な魂」。

観ることが絶対に叶わない昔の演目、美しかっただろうダンサー、踊りや衣装に思いを馳せて、寂しくなる気持ちはありつつも、今なお残る美しいそれらに強く感謝をした。

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2023年05月21日

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