【感想・ネタバレ】創造力の育て方・鍛え方のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【要約】
日本人はお手本通りに職務を実行するのには長けているが、独創性が欠けており、特に基礎研究の分野で遅れをとっている。

その理由は、受験勉強(=詰め込み教育)を半ば強制的にさせられ、勉強=苦しい、遊び=楽しい、の図式になってしまっていること。本来は、文系・理系問わず様々な分野に触れること(=リベラル・アーツ)により刺激を受け、自分の能力や、自分がどのようにしたら幸福なのかを見つめ直し、主体的に将来の道に見つけていくこと、このことが教育である。

知識をただ蓄積するだけでは、凡庸な人間になりさがる。自分の個性を見つめ直すことこそ、独創性を生み出すのであり、日本が、国際競争に打ち勝つために必要なものである。

【感想】
今現在、子育て・教育分野の界隈で言われていることが、実に25年も前の著書で言及されている。そう言う意味では、読後感として新鮮味はそれほどないが、25年も前にこのようなことが言われているにも関わらず、教育を取り巻く状況はあまり変化していないとも言える。

「自分で考えるということは、自分に主体性を置き、(中略)自分の幸福感について、考えをめぐらすこと」(p87)は大変納得するところである。

ただ、世の中で言われている「受験勉強=強制的」という図式は、必ずしも真ではないと思う。受験勉強にとらわれすぎるがため、様々な経験をし、自分自身とは何かを考える、熱中できるものを見つける、という経験に乏しくなる危険性があるのは、納得するところであり、それは自分自身の幸せの追求を放棄するようなものであろう。しかしながら、知識と思考とは両輪であると思うし、知識があるからこそ、深く思考できるし、思考するからこそ様々な知識のネットワークがより強固になり、創造性につながるのであろう。

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2022年01月08日

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