【感想・ネタバレ】ジャパン・ディグニティのレビュー

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Posted by ブクログ

最初の方は古臭い伝統工芸に夢中で夫として、家長として不適格な父親、それについにキレる母親、田舎でさぞ生きにくいと思われるオカマの弟、そして何をやってもオドオド自信のない主人公という家族の話になんだか暗くて嫌だなぁと思ったけど、読み進むうちに姉弟(妹?)のお互いの思いやりや、不器用な父親の愛情、近所や周りの人のそれぞれ辛い気持ちも抱えながらの温かさにじんわり胸が温かくなった。
弟が彼と結婚してオランダへ渡ってからは、斜陽産業ともいうべき津軽塗の良さを知ってもらい、再生させるために一心不乱に展覧会の出品作りに打ち込む。
まぁ上手く行きすぎって感じもなくは無いけど、こちらも息を詰めて応援したくなる、読後感のいい本でした。
津軽塗の何かが欲しくなった。
東北へ行ってみたいな。^ - ^

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2015年06月20日

Posted by ブクログ

伝統工芸の津軽塗の職人の娘を主人公にした、
お仕事小説です…。お仕事小説は数あれど…、
忠実なまでの、王道の設定に、お話でしたね。

地方の伝統工芸にチャレンジする娘さんに、
ものづくりのお仕事小説、といぅ設定は…、
大好物のジャンルなので、面白かったですよ!

でも…、ふと考えてみると…、意外と、
伝統工芸を題材にした作品の記憶がなぃので、
そぅいう意味では、新鮮な感じもしました…。

作者と主人公が、等身大に近ぃからなのか?、
起承転結のあるお話も、読みやすかったけど、
何となく、起伏が少なぃ印象も感じたかも…。

でも…、舞台の青森感はよく感じれたけど…、
作中の津軽弁は、結構、読みづらかったです。
それでも、心地よぃ作風でよかったですよ…。

評価は…、ほんのちびっとだけ、甘めかな…。

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2014年12月21日

Posted by ブクログ

舞台は青森。主人公・美也子、22歳。
スーパーのレジ係をやめ、稼業である津軽塗の手伝いをすることに──。
職人としての腕はいいが、頑固で呑兵衛な父。
そんな父に愛想を尽かして出て行った母。
楽天的なオネエの弟。
この弟(妹?)がとてもいい味で、主人公の美也子よりも気に入ってしまった。

驚いたのは津軽塗の工程。
塗り・乾燥・研ぎを繰り返し、完成まで四十八工程、二か月近くかかるらしい。
唐塗り・七々子塗り、紋紗塗など色々あって、
その写真も載っていて興味深かったです。

正直言うと、漆器ってお手入れを考えるとつい億劫で、滅多に使わないんですよね。
どんな器も、日常に使ってこそ。
しまいっぱなしの漆器、出してあげなくては…。

最後は上手くいきすぎた感はあるけれど
「ジャパン・ディグニティ」ぜひ継承していってほしい。

すごく耳に残っているのが、登場人物たちの方言。
方言って温かい感じがして好きなんですが、
津軽弁はさすがに手ごわい(笑)。

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2016年11月28日

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