【感想・ネタバレ】わたしのペンは鳥の翼のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ものすごく良かった。

苦しく、悔しく、やるせない。衝撃と絶望。総じて漂う女性の不自由さ。社会通念の呪縛。そして、沸々と湧き起こる怒り。

産後病院から戻ると、男の子が産まれないからという理由で夫が新しい妻との宴を開いている「八番目の娘」、セクハラに文句を言ったら給与未払いで解雇された「共通言語」、暴力を振るう姉の夫を殺めた弟と彼をかばい有罪となった先生の物語「ダーウードのD」。

一方で、希望や清々しさを感じる作品には心救われた。
タダでバスに乗せてくれた運転手さんの優しさが沁みる「冬の黒い烏」、女性のリーダーシップと女性たちが力を合わせて団結力の強さを輝かせる「アジャ」、心ときめく赤いブーツを選択することが出来、自分を貫いたことで合唱のリーダーになれた「赤いブーツ」、愛する夫に先立たれ、義兄に結婚を強要されるも未亡人を貫き、クッキーを売ることで、経済的自立を果たした「ハスカの決断」。

それに、失明と共に失恋したラヒーマと彼女のために情報とお金を集めたアリーの切ない恋を描いた「巡り合わせ」。

故郷が心休まる場所だったということを、枕を介して描写する「わたしの枕は一万一八七六キロメートルを旅した」が作品としては一番好きだと思った。

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2023年07月18日

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