あらすじ
いま、「北海道企業」が続々日本の小売り業を引っ張る位置に躍進している。
似鳥昭雄氏が北海道・札幌で創業し、家具・インテリア販売で日本一に君臨するニトリは、店舗数800以上、8000億円もの売り上げを誇り、35期連続で増収増益を記録。海外市場への進出も着々と進め、売り上げ3兆円を目標に掲げる。
小売業界で首位を争うのは、ニトリだけではない。
ホームセンターで10年以上にわたって業界首位に立ったDCMホールディングス。
ドラッグストアで僅差の2位のツルハ。
食品スーパー4位のアークス。
さらに、イオングループの「優等生」イオン北海道は単体で3200億円もの売り上げを誇る。
調剤薬局で売り上げ日本一となったアインホールディングス。
顧客満足度コンビニ部門でセブン‐イレブンをしのぎ、11年のうち10回の日本一に輝いたセコマ。「セコマ」ブランドの食品、菓子、乳製品、酒を製造し東京、大阪はじめ全国のスーパー、ドラッグストアで販売している。
なぜこれほど、北海道から「強い小売り企業」が続出するのか。
北海道新聞経済部長を務め、長年業界を取材してきた著者が、その秘密に迫る。
ニトリを創業した似鳥氏、ホーマックの創業者・石黒靖尋氏、アークスの横山清氏、ツルハの鶴羽肇・樹兄弟、マイカル北海道(現イオン北海道)の大川祐一氏、アインの大谷喜一氏、セコマの赤尾昭彦氏など多くの起業家・創業者が、不況下の北海道を舞台に切磋琢磨することによって、「業界トップ企業」をつくりあげてきた。
小さな部品がたった一つ欠けたことで、取り寄せるのに膨大な時間とコストを要する「小売り不毛の地」北海道。そのハンデを克服するために積み重ねた努力が、いま、本州や海外の市場に挑戦する際に北海道企業の「強み」となっている。
「夢とロマン」で駆け抜けた男たちのドラマは、読む者の胸を熱くする。
最高のビジネス書にして、熱気あふれる経済ノンフィクションの名著誕生。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ここに掲載されている企業には勤めてないが、北海道の小売業の端くれにいるものとして、どうしても気になったので 読んでみた。
北海道出自で、全国的な企業になった小売業は数多い。ニトリ、DCM、ツルハ、アークス、北海道で抜群に強い、セコマ、コープさっぽろ。
それら綺羅星のごとくの光る企業と、その背景にある北海道の特異な環境を 掘り下げて著した良書。広大な土地、低い人口密度、という環境下で磨かれた企業経営は、いまの日本全国で通用する最大の武器となった。
その企業の過去を紐解き、戦略を明らかにし、どのように成長していったかを追っている。
北海道だけでなく、小売業に携わるかたは必読の書である。
Posted by ブクログ
北海道の小売業に特化したルポルタージュ。
著者は北海道新聞経済部記者で
圧倒的な取材量と調査、数値による分析。
かなりの力作です。
北海道の経済学部大学生は必読。
ニトリ、ツルハ、アークス、セコマ、アインズ
といった企業の歴史と成り立ちを
追っかけることができます。
今後の展望や新興企業等の言及があると
最強でした。