【感想・ネタバレ】相続専門の税理士、父の相続を担当する――相続税「約30%」減税させることに成功のレビュー

あらすじ

本書は、私の経験を通して、
・相続対策の大切さ
・相続対策の具体的な方法
・相続税の申告、納税の注意点
をまとめたドキュメント(清田家の相続の記録)です。
(本文より)

●特に資産5,000万円いかの方の争いが全体の約8割。
いま相続時のトラブルが増えている

2000年 8,889件

↓ ↓ ↓
2020年 11,303件

相続はお金のことに加えて感情も絡むのでとても難しい案件です。


相続税の申告を6,000件超、相談を22,000件超担当――
日本トップクラスの実績を誇る相続のプロが初めて経験する特別な案件、
それが自分の父親の相続でした。

収益を生まない裏山の売却を提案しても首を縦に振ってもらえない、
なかなか遺言を書いてもらえないなど、
専門家として、息子として実感した相続の「現実」、
そして生前の準備から、葬儀、手続き、申告までの一部始終を包み隠さず描きます。

一方で実際に行った節税策を多数紹介。
これから相続を迎えるすべての人に知ってほしい大切なことをまとめた1冊です。


●親が元気な時から相続に取り組み始めた結果、
相続税を「約30%」も減税させることに成功しました。

①相続対策(相続税対策)「亡くなる前」にすること

②相続税の申告、納税の対策「亡くなったあと」にすること

●すぐにでも相続対策を始めた方がいい人
・兄弟がいる人
・土地を持っている人
・相続税を払う可能性がある人
・子供がいない人
・顔を見たことがない相続人がいる(特に甥・姪)

相続税を余計に払ってしまう、家族間でトラブルが起こることが考えられます。
早くから対策に乗り出すことで、
「資産を残す」
「節税する」
「家族の平和を守る」
ことができるようになります。

本書が、みなさまの助力となることを願ってやみません。


■目次

●第1章 私が「相続専門税理士」になった理由

●第2章 父の相続対策をはじめる

●第3章 父、亡くなる

●第4章 父の相続の手続き・申告をする

■著者 清田幸弘(せいた・ゆきひろ)
ランドマーク税理士法人 代表税理士 立教大学大学院客員教授
1962年、神奈川県横浜市生まれ。
資産税専門の会計事務所勤務の後、1997年、清田幸弘税理士事務所設立。
その後、ランドマーク税理士法人に組織変更し、現在13の本支店で精力的に活動中。
急増する相談案件に対応するべく、相続の相談窓口「丸の内相続プラザ」を開設。
また、相続実務のプロフェッショナルを育成するため「丸の内相続大学校」を開校し、
業界全体の底上げと後進の育成にも力を注いでいる。
『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』(あさ出版)、
『都市農家・地主の税金ガイド』(税務研究会出版局)など著書多数。

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Posted by ブクログ

相続の専門家でも相続対策には時間がかかる

相続の専門家が書いた自分の家の相続の話という、他に類似書があまりない書籍!

わかったことは、相続対策には時間がかかるということでした。

家族の平和を守るために、生前にお父様から話してくれていたからスムーズにいったのだなと感じた。

また、問題地である山を売るのに3年かかった話もリアルでした!


勉強になった箇所
・父にとって 先代から受け継いだ 農地 土地 山林を 守るのは当然の役目だったはずです
・一般的に都市近郊農家の農業所得はさほど多くありません。「預貯金はない。収入も少ない。けれど 利用価値の低い土地だけはたくさんある。」という実情を改善しなければ「相続税を払うこと」も、「相続手続きをスムーズに進めること」もう 難しくなることが私には予想できました
・その結果 相続税を約30%も減額させることに成功しました
・早くから対策に乗り出すことで、資産を残す、節税する、家族の平和を守る (相続 トラブルを回避する)ことができるようになります
・都心部では農業収入だけで生活している農家はほとんどありません。都市近郊農家の主な収入源はアパートやマンションなどの賃料収入です。
・不動産経営 所得が8~9割を占める農家もあります
・そして家族も私 3人で一生懸命働いたのに 一家の年収がわずか150万円だったのです
・「相続の話」ではなく、「資産活用」の話として切り出す
・自宅の裏山が不良資産になっている、千葉 預貯金よりも 土地の方が多いから 資産の組み換えをした方がいい、ことを指摘しました
・図表 不良資産貸している土地「問題地」と 解消 例
・アパートマンションの新築を検討する場合は・・・、「家賃保証会社に頼らなくても家賃回収ができるか」を試算することが重要です
・図表 小規模宅地などの特例の特例が適用される駐車場の条件
・小規模企業共済は 個人事業主でも入ることができますが法人を設立して家族を役員にしておけば 家族も 小規模企業共済に加入でき掛け金を所得控除に使うことができます。受け取る時は一括であれば 退職所得控除 分割であれば 公的年金など控除が受けられます
・約6000件の相続案件を見てきて思うのは、家には財産がないから 遺言書 なんて書かなくても大丈夫、うちは兄弟仲がいいから財産の分割でもめることはない、と考えてる人のトラブルが増えていることです
・親が子供に残すものは財産だけではありません。家族や土地に対する想いも残していきます。同じように 子供が親から譲り受けるものは財産だけではありません。親の思いを受け継いでいきます
・墓地・墓石は相続税の非課税財産になります。墓地、墓石 仏壇仏具などは 祭祀財産といい、相続税はかかりません。ただし 生前に購入する場合と相続後に購入するのでは相続税額に大きな差が出ます。何購入するのであれば 生前に購入すると 課税対象となる現金が入るため 節税 が期待できます。ローンで購入し 関西 前に亡くなった場合 残額は 債務控除になりません。生前に現金で購入することが重要です
・ちなみに私も自分の息子に良い老人ホームに入れてね と話しています
・元気だった頃の父は土地を残す 受け継いできた土地を 次の世代に渡すことが課長の役割だと強く 意識していました。ですが 自らの体力の衰えと都市近郊農家の情勢の厳しさを考えた時 土地を処分してでも現金を残すことの必要性に気付いたのだと思います
・一つ目は 相続 を円滑に進めるには感情を大切にしなければいけないことです

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2022年09月14日

Posted by ブクログ

相続の流れを説明した一冊。ビギナー向けだが、相続の専門家が当事者意識を持って書かれているので、説得力がある。

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2022年05月08日

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