【感想・ネタバレ】「宿命」を生きる若者たち 格差と幸福をつなぐもののレビュー

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Posted by ブクログ

日本経済の停滞は社会の高原化と表現され、そこに適応してきた若者の心性や人間関係を読み解く。

社会が経済発展という共通の目標を失い、個人はそれぞれ価値観を多様化させてきた。価値観がばらばらになり「みんな」とは「抽象的な他者」でなく「具体的な他者」になった。とても納得できる。いち若者としても実感してきたことが体系的に言語化されている。

フォロワーが何人とか具体的な数字で表されていることもこのような心性が背景にあると説明できうると考える。

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2020年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

疎外と疎外の認識のなさと。風通しの悪さが韓国とどう似ていてどう違うか。ベトナムとどう似ていてどう違うか。見ていきたい。

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2019年08月29日

Posted by ブクログ

非大卒男性で非正規でありながらも、努力は裏切らないと思うし(自己責任)、生活満足度は高いという不思議現象。努力する、ということも生れながらの才能のようなものであり、自分には縁がない。だから自分がこの地位にいるのは変えようのない宿命のようなもの。そういう諦観もあるのかと思った。

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2019年07月17日

Posted by ブクログ

若年層の生活満足度が上昇しているのは何故かを、様々なデータを駆使して解き明かすことを試みた好著だ."一般に私たちは、自分の生きる目標について考えをめぐらすときも、身の回りの人間関係のなかでそれを確認し、自己の存在意義を得ようとする"、また"私たちの期待水準は、一般に自分を誰と比較するかによって変わってくる"(p104)のだが、人間関係の内閉化が進んだことで、他者と定義される範囲が非常に限定されてきて、生活満足度が高くなっていると結論付けている.納得できる議論だ.このような社会制度を作ってきた現代の高齢層の責任論も議論すべきだが、状況打破のアプローチも大事だ.未来の世界に住んでいる自分をイメージし、その視点から時間を遡って現代の社会制度のあり方を検討するというFuture Designという手法を紹介している(p129).

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2020年08月21日

Posted by ブクログ

「宿命」と「努力」という言葉をキーワードに、習熟期へと移行した日本社会をポジティブな側面とネガティブな側面から見ることで、この時代精神の変化とその背景にあるものを学びました。

P30 増加する高齢者犯罪

→万引き犯と一般の高齢者とで規範意識に差はないが、
 人間関係の貧困により、自分を心配してくれる
 家族や友人が不在となり、万引きと言う非日常的な
 行為に伴う精神的な高揚感や達成感が、
 日々の寂しさや虚しさを一時的にでも忘れさせてくれる。
 孤立感の余り声を掛けられることを期待して
 犯行に走ってしまう人も。

P49 未来に期待できない、と、未来に期待していない

未来に期待できない
-は、自分が生きる意味を未来に求めながら、
 しかしその現実が叶わない状態であり、
 そこに欲求不満を抱えていたとしても、
 今生きている意味について思いあぐねることは無い。

未来に期待していない
-は、生きる意味を未来に求めていないから
 それは現在に求めるしかない。
 目線は自分自身に。

P91 自己主張

1992-2002
自己主張をする中高生が増えてきた

以降は、経口が反転し、他人の意見に合わせる中高生が増えてきた。

周囲の人間関係から自分だけが浮いて、居場所がなくなってしまうことを過度に恐れるようになったのでは?

P95 宇宙戦艦ヤマトの主題歌の歌詞に見る、自らが救済者になることで、満たされない承認欲求を補填しようとするメサイア・コンプレックス。

P120 ★★★ 西日本豪雨災害における、高校生のボランティア。

P128 ★★★GDPに代わる豊かさの指標

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2019年06月29日

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