あらすじ
イランで生まれ、養子縁組した養母と日本へやってきたのは8歳のとき。
外国人母子家庭として暮らし、差別も貧困もいじめも経験し、一時は絶望し、ギリギリ自死から逃れたことも。
今の輝かしい姿から想像できないような苦難とどう向き合ってきたのか?
腐らずに、自分を前向きに育ててこれた背景には何があるのか?
さまざまな困難を切り抜けてきたからこそ、今、「弱っている人々に、同じ気持ちで寄り添える」。
体験を語りながら、「アナタの力になりたい」と紡いで、言葉の花束にして捧げる。
【14の花束の内容】
*家族の縁に恵まれなかったアナタへ
■Bouquet 01「誰かの瞳に映った私」が、私の孤独を癒やす
*親子なのに気を遣ってしまうアナタへ
■Bouquet 02 衝突は本音を出す良い機会
*死にたくなってしまいそうなアナタへ
■Bouquet 03 やっと見せた「親の弱気」に私は救われた
*いじめられているアナタへ
■Bouquet 04 頑張らなくて良い勇気
*愛の注ぎ方に戸惑う親御さんへ
■Bouquet 05 大丈夫、そこに存在しているだけで良い
*大きな愛の偉大なアナタへ
■Bouquet 06 縁あっての親子、来世もきっと
*親代わりのお仕事の皆様へ
■Bouquet 07「相手」でなく「愛手」に
*世界を旅して出会ったアナタへ
■Bouquet 08 難民の難は難しい民ではない
*多様性の過渡期に立つ人々へ
■Bouquet 09 心には、国籍も国境も関係ない
*私の「心の花壇」より
■Bouquet 10 母の教え
*ウィズ コロナを生きていくこれからの私たちへ
■Bouquet 11 サヘル流 新しい行動様式
*病気と闘うアナタと家族へ
■Bouquet 12 共に生きるということは共に歩むということ
*適職に迷っているアナタへ
■Bouquet 13 先輩たちからのエール
*世の中のシステムからこぼれた気がするアナタへ
■Bouquet 14 あきらめなければ誰かは見てくれている
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2023年 啓文堂書店の記憶に残るpart2 愛の本 つつじが丘店 さんの紹介で手に取った。サヘル・ローズさんのことは全く知らず。
きれいなカバーからは想像できない過酷な反省から生まれた言葉の花束であることを痛感し、また共感した。
ご本人は「私は強くない 私は弱い だけど 弱者じゃない」と書かれていたが、弱いことを自覚して強くなろうと努力する姿に強さを感じた。
そして、その上を行くお母さんのフローラさん。この方がどう考え、どう生き延びてきたか本にしていただきたい。
サヘルさんが多くの「個を見てくれる」方々に出会ってホントによかった。
Posted by ブクログ
いろいろな経験をしたサヘルさんだから出てきた言葉がいっぱいでした。
別にいじめられているわけでもいじめているわけでもない私ですが、いろいろな言葉が突き刺さり、娘にもプレゼントしたくなる言葉がたくさんありました。
Posted by ブクログ
【相手の目を見る】
親代わりのお仕事の皆さまへの章でも出てくることば。支援者として、受援することを躊躇わずパワーをためて、頼り相談しながら、相手の目を見て接し続ける。誰か1人にとってでも、寄りかかれる存在になれれば。それを信じて待つ。
【真実告知】について書かれている章がある。すばらしい育ての親であるフローラさんが、産みの親ではないことを伝え、もしかしたら生きている家族や親戚を探したかったら一生に手伝うと12歳頃に真実告知と選択肢を与えられたこと。サヘルローズさんは、この時のことについて瘡蓋をほじくり返すような触れてほしくなかったことと綴っている。小さいときから話してあげるのがいいのかもしれません。絵本を読み聞かせるように、少しずつ。と。
これは、確かに振り返るなら小さい頃から話したらよかったのかもしれず、先天性疾患などもそうだと思う。でもこの親子は衝突を恐れない。必ずサヘルの考えを尊重し、アナタはどうしたいの?と言う。包み隠さず表裏ない発言に傷つくことがあっても、究極の愛情でサヘルに選択肢を与えたと。だから、結論、タイミングが違ってしまっても衝突は本音を出す機会であり、大切さなのは愛情と尊重。
中学時代のいじめについて書かれた章も多くあり、大切にしたいと言葉もいくつかある。
「今、その孤独と思う時間を【吸収する友】という時間に変換してみて」「たくさん読書してごらん。今の孤独が、のちに大きな知識として、全部アナタを引き上げてくれる素晴らしい親友になる。無理して今作った人間関係は数年後には残らないことのほうが多い。なら、数年後も、アナタと共に生き続ける知識を習得し続けてほしいと切に願います。」
Posted by ブクログ
「サヘル、今の自分の顔を見てごらん、醜いよ。
人の悪口を言うその口も綺麗じゃないし、
人を憎んだり、悪いところを見てしまう目も綺麗じゃない。
いい?美しさは、見た目じゃない。
美しさを追い求めてもキリがないの。上にはいくらでも上がいる。
そして外見の美しさしか備わっていない人は、10分以上見たら飽きるもの。
本当に美しい人は、一緒にいればいるほど、美しさが溢れ出すもの。人は中身なの。
何を読んで、何を見て、どんな言葉を発するかによって決まってくる。
悪口を言う人は、そういう顔つきになる。目も口も誤魔化せない。だからこそ、心を磨きなさい。
相手を愛しなさい。同じフィールドには立たないこと。暴言を吐かれても、暴言で言い返さない。
殴られても、殴ってはいけない。同じことを繰り返したら、アナタもその人と同じレベルになってしまう。
大切なことは、そのときは歯を食いしばって飲み込むこと。
相手がなんでこんなことをしてしまったのだろうかと、本人が後悔するまでの人にアナタはなりなさい」
これ以外にもフローラさんの金言がたくさん刺さりました。
醜い自分が恥ずかしくなる。
でもまだまだ自分は未発達で成長できるということ。物を知らないということ。経験をしてないということ。
サヘルさんの真っ直ぐで純粋な言葉が一冊の本になっていました。
たくさんの人に読んでほしいな。