辻太一朗のレビュー一覧
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<【懇願】企業にぜひ取り入れていただきたい画期的な採用選考・面接手法>
僕は大学内にて、書籍・キャリア事業部という部署に勤務している。
その中で感じている大きな矛盾として、「読書・勉学」と「就職」が、ほとんど無関係なものになっているという問題がある(ただし理系や一部学部は除く)。
書籍事業部の仕事としては一般書店のような店舗販売の他、教科書販売がある(他に大学・教職員向けの販売もある)。
教科書販売は、大学の講義と連動しているため、学生の講義に対する態度が非常によく分かる業務だ。
当然ながら、ほぼ全員の学生がなんらかの教科書の購入をするが、その購入行動の形は幅広い(業務内なので詳しく -
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これは日本の全ての大企業の採用担当者と上位大学の授業担当者と進学校の進路担当者と大学生が読むべき一冊。もっともっと売れて、どんどん話題になってほしい。せめて一章と四章だけでも世間の共通認識になってくれれば、僕が愛せる国になると思う。
タイトル通り、日本の大学生が勉強しない構造的な理由について書かれた本。
企業の採用担当者、大学の講義担当者、そして大学生本人という3種類の主体の関係性をベースに、各々が合理的に行動した結果が現在の状況であると説く。
もう本当に、普段から思っていたことを見事に整理して代弁してくれた上に、考えられる最も現実的で有効な解決策を提案しただけでなく、既に実行に移している -
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ネタバレ日本の大学生は海外の学生に比べて勉強しないと言われているが、それは学生と企業と大学それぞれが自分の都合のいいように動いているという負のスパイラルの結果であるということが繰り返し語られており、原因を理解することができた。
学生の立場としては、まだまだ自分だけで改善できることは限られるかもしれない。しかし日本の一部の学生だけを見るのではなく、今日の変化の激しいグローバル社会においては海外の学生も視野に入れて思考力を鍛える必要があると、留学経験が無いながらに感じることができた。この事は留学をすると多くの人が痛感すると実際に聞いたことがある。
受け身ではなく、考える力を伸ばすことを目的の一 -
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偶然、新着資料を見ていて興味を持った本ですが、いい本でした。うんうんと頷きながら読んだ。
筆者は前提として、日本の大学生が勉強しない、考えることをしないとして、それに対する方策を書いています。
学生、大学(教授)、企業の三者がそれぞれ手を抜いて向き合ってしまう(向き合わざるを得ない)ような状況が原因なんかなあ。その状況を「イヤと思っていない」というのは、確かに、と思いました。
筆者は、三者それぞれが「考える力」を主眼として置けば、「負のスパイラル」を「正のスパイラル」に変えられると言う。
ちょっと楽観的な気もするけど、誰かが一歩踏み出したら世の中のまわりかたは変わっていくような気がする。 -
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≪目次≫
はじめに
第1章 日本の大学生は本当に「勉強しない」のか?
第2章 大学生・大学・企業・ 永続する「負のスパイラル」
第3章 「考える力」こそが日本を救う
第4章 「正のスパイラル」はこうして回す
おわりに
≪内容≫
日本の大学生は勉強しない。それは学生・教授・企業それぞれが、勉強する(させる)ことに価値を見いだせず、企業もそうした面を採用の基準とできないからだ。これをデータを使いながら説明している。かつてはそれでも企業で社内教育をしてきたが、グローバル化の波のなかで、そうしたことができなくなり、大学で社会に出て必要な知力を付けさせなくてはいけない、いやつかないと本 -
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本の要点
・巷の自己分析本は必要なし。度を越した自己規定でドツボにはまるだけ。
・企業が求めるのは「能力のある学生」「できることの多い学生」・ハード(資本)より情報や時代に乗り遅れない「人」がますます重要。
・大学では「知的トレーニング」つまり、自分で考える「論理的思考力」を身につけるべし、それは論文・文章作成&ディスカッション中で養われる。
・大学で養うべきは「知識+応用力」「能力+努力」
・大学の成績を評価しないのは大学自体が低く見られているから。これからは厳しい大学、成績が重視されるだろうし、すべきだ。
・英語は必須。自分の可能性を広げる。
[結論]就活早期化を辞め、大 -
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なるほど〜、と最初は感動したが、次第に何度同じ話をしてるんだ…と。
テーマはとても興味深いし、その解明も面白いけど、端折れるところは結構あるような気がします。
でも、内容は良い。確かにその通りだし、改めて全体像が見えました。
それにしても、この問題の解決は難しい。国が勘違いしてるからね。誰がやり始めるの?と、結局皆がお互いを見ながら、決められないのでいつも通りで。がずっと続く。誰か一人だけが不利益を受けているなら解決しようという動きも出るけれど、皆が同じように不便.不都合を感じてしまうと、仕方ないよね、になりやすいと思う。
そういう状況なのかな。 -
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企業,大学,学生の3者に注目。
これらがそれぞれ就活の早期化により不利益を被っているとし,それに対する解決案が提示されている。
だが,ある程度数字で説得するべき個所があるのにそこのデータがないのが辛い。
主張はある程度筋が通っているものの,「大学の勉強を企業に重視させる」仕組みを作ることのコストを軽視しすぎな感がある。
シラバスや教授の基準公開により~っていうけど,その単位一つ一つについて教授の基準が異なる状況を作るわけにはいかないし,それを統一して計算する規格を作るのがまず無理。なぜなら大学のレベルを加味するかしないか,何を以てして単位が楽と判断するのかなど,今まで曖昧に放置していた部分に -
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現代の就職活動の状況について。「就活」がもたらす弊害とこれからの「就活」への提言。20年以上前に就職した者にとって、現代の就活がどのようなものなのか興味があって読んでみました。
現代の就職活動は、以前に比べて益々厳しくなっているようです。単に日本の不況の影響と簡単に片づけられないくらい就職が厳しくなっていて、就職「試験」に受かるために神経をすり減らし、疲弊してしまう若者が多いようです。ひとつには「自己分析」という日本だけの風習で、自己診断ばかり行ううちに、就職できないすべての原因を自分に求めるという傾向に陥ってしまうことがあります。自分の将来の可能性を自分自身で否定してしまうという悪循環になっ