林典子のレビュー一覧

  • フォト・ドキュメンタリー  朝鮮に渡った「日本人妻」 60年の記憶
    元在日朝鮮人夫たちの声も聞いてみたくなった。取材対象の女性たちは皆すでに夫を亡くしていたため、「ハンサムでしょ」等、彼女らによって語られる部分から夫婦関係を想像するしかない。

    朝鮮人と恋に落ち、家族に結婚を反対されるも駆け落ち同然で朝鮮へ渡った人たち。現地では「日本は嫌いだが日本人1人1人を嫌うわ...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    何年か前に、タイトルが気になり買ったものの、読まずにそのままになっていました。読んでみて、あらためてまだまだ知らないことばかりだと…全世界がコロナに右往左往し、一方でオリンピックで一喜一憂…でも個人レベルでは想像もつかないような人生を送っている人たちがいる。「尊厳」にも格差があるのでしょうか。実際何...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  朝鮮に渡った「日本人妻」 60年の記憶
    2013年から18年までに11回訪朝し、日本人妻や残留日本人(戦時中に朝鮮半島に住み、戦後も帰国しなかった/できなかった日本人のこと)を取材しているカメラマンによる著書。

    以前、彼女がテレビ番組に取り上げられ、北朝鮮で取材・撮影する様子を捉えた動画をみたことがあった。
    正直、とても驚いた。
    周知の...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  朝鮮に渡った「日本人妻」 60年の記憶
    貴重な記録である。
    ややもすれば
    歴史の中に埋もれさせられてしまい
    忘れ去られてしまう
    いや
    そうあってはならない
    人たちに
    きちんと出逢って、
    きちんと向き合って、
    おられる
    林典子さんに
    大きな感動を覚える。

    「記憶は弱者にあり!」
    改めて この言葉を 思い起こしている。
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    人間の尊厳をテーマに世界各地の社会問題を取り上げた新書。フォトジャーナリストの筆によるものだが、新書だけに写真は少ないが、写真だけでなく文章にも迫力があり、強く心に残った。
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    本書で今まで目を向けないできたことを、知ることとなった。自分が育ってきた環境や、いかに平和ボケしているかを痛感した一冊だった
    ネットを見ていてもたまにこのような記事や、写真をみることはあるが、本書のあとがきにもあった通り見たくないから見ないことができるのが私たちで、私はショッキングである内容に目を背...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    日本人の常識では考えられないことが世界各地では起きている。日本人とまで言わなくても、私自身がこの様な世界の事実を知ったのは本書が初めてであった。ニュースで流れるウクライナ戦争、アフリカスーダンの内戦も繰り返し何度も放映され、気がつくとその様な大きな出来事をテレビやインターネットから断片的に得ているだ...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    同じ女性として、ショッキングな内容が多い。
    特にキルギスでの誘拐婚
    都市に住む女性が無理やり郊外の昔ながらのコミュニティが根付く場所へ誘拐され、そこの男性と結婚させられる。親族の説得や「伝統だから」という社会観念から、根負けして結婚を受け入れる。
    相手も、一度か二度しか会ったことないのに…
    写真だか...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    本を読むのが苦手な私でも読めました。
    1章の報道の自由のない国で、第4の硫酸に焼かれた女性たち、など日本に住んでる自分がどれだけ恵まれて、安心して暮らせてるのか、がすごく感じた。
    個人的に5章の震災と原発が胸に響きました。
    自分は当時6歳でニュースモルカー理解していなかったと思いましす。筆者が棺の写...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    著者の林典子さんは、写真とジャーナリズムに、意図せずある日出会ってしまった人のように思えた。

    世界の片隅に、ニュースにならない、目を背けたくなるような現実が溢れていること。
    それを写真に撮り報道しても世に知れ渡り変わっていくには多くの時間を要し、その被写体となった人達は直接には救われないというジレ...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  朝鮮に渡った「日本人妻」 60年の記憶
    国交が断たれた状態で
    行き来もままならず
    故郷を思う姿は やはりとても悲しげで
    あまりはっきりと言いたくないことを
    くみ取り 写真に写そうとした著者の取材は
    とても真摯なものだったと思います
    でも 少し奥歯にものが挟まったような
    歯がゆさを感じる取材でもありました
  • フォト・ドキュメンタリー  朝鮮に渡った「日本人妻」 60年の記憶
    「日本人妻」は情報としては知っていた。NHKのドキュメンタリーでやってたのを見た。可哀想とかそういう話じゃなくて、なぜ朝鮮に行ったのかを語る本だったし、ここに書かれている「日本人妻」は普通のひとばっかりだ。戦争の時、残留した日本人がいたことにびっくりしたのと、近いのに遠い場所のままで綺麗な場所のこと...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
     結婚や交際の申し込みを断られた腹いせに硫酸を顔にかける。

     どうしてそんなひどいことができるのだろう。どうしてそんなひどいことをした人間が罪に問われないのだろう。


     パキスタンでは年間150人から300人くらいの女性が、硫酸をかけられる事件が発生しているらしい。それも氷山の一角で、地方の村で...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    出会えてよかった、と思える本。想像を絶する理不尽なことが、今この瞬間にも起こっているかもしれないことを思い起こさせてくれる。
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    マララさんのノーベル平和賞に関わる諸々の報道があって、『カーリーⅢ』でインドって怖いなと思って、そのあと後藤健二さんの事件があって、日本の常識ではフィクションにさえ思えてしまう日常が世界にはあるということを、根本的に私は知らなすぎるのではないかと思ってもう一度ちゃんと読んでみた。写真とそのキャプショ...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    年若く、キャリアも浅いのに、ここまでの仕事をしていることに感心する。

    個人的に人権派というのはどこか胡散臭く、信用していないのだが、虐げられた人々に寄り添いながら情景を切り取る(フォト)ジャーナリストというのは、シャッターを押すたびに身を削る思いをしているのではないか。

    テーマごとのレポでありな...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    きちんと生きている人の仕事は尊い

    ここに紹介される
    人たちは いずれも
    なんらかの意味で人間としての尊厳を
    剥奪された人たちである

    林典子さんは
    その人(被写体)に寄り添い
    その人の心に寄り添えることができた時だけ
    初めてそっとシャッターを切る

    その人たちに
    写真を撮るという作業を通じて
    その...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    特にパキスタンの被害者の写真が衝撃的だった。女性フォトジャーナリストが、被害者達と心の交流があって初めて撮られた貴重な写真とルポルタージュなので、直視すべき悲しい現実を鮮明に突きつけられた。
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    世界で行われている非人間的な行為の実態に、今の平和な日本との違いを痛感する。まだ世界の弱い人たちは、自由と尊厳を与えられていない。彼らはその厳しい状況下で、自分達の宿命として受け入れて生きていかなければならない。私たちはもっと視点をこれらの人たちに向けるべきだと思う。若い女性でありながら、危険な現場...続きを読む
  • フォト・ドキュメンタリー  人間の尊厳 いま、この世界の片隅で
    タイトルが直球。岩波書店っぽいなあ。
    硫酸被害の女性と、誘拐結婚のところが衝撃的。
    ある一人の人間が、どのような状況に置かれ、どのような気持ちでいるのか。それを知りたいと著者はいう。それを指して、「人間の尊厳」というのでしょう。かなり自分と近い感性を感じた。
    こういう、重い気持ちにさせられる本が好き...続きを読む