碧海純一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ありがちな法学入門の本とは全く異なる、まさに「新しい法学入門」。もっと早くこの本と出会いたかった。
各国の法学の特徴や法学史といった、法学を学ぶ上で知っておきたい事柄が広く押さえられている一冊。
ただそれにも増して個人的に嬉しかったのは、法学を「社会工学」と呼び、人類学や社会学、心理学、言語学などの諸分野と隣接した文化の一部とする著者の捉え方だった。
実定法の解釈が殆どを占める法律学習において、(歴史的にもそのきらいはあったようだが)法学徒はとかくタコツボ型の法律観に陥りやすい。
その中にあって臆することなく経験科学に目を向け、教養溢れるたとえや注釈を多用する著者の姿勢は、ともすれば内容以 -
Posted by ブクログ
家族が著者と知り合いで、自宅にあったので読んでみた本。
一言でいえばかゆい所に行きと届く、法学の入門書だと思う。概論では、法学ではどんなことがあって、実定法を分けるとということが多いと思うが、著者の博識の文化論から法を位置づけ、宗教、哲学、道徳などの関係から、文化の一部である法学を、どのようなものであるかの全体像を理解させてくれる。
本を読んでいて思うのは、各論になれば専門用語と学説の説明をすることで知識量と見識が主に問われるが、このような本では素人に近い目線をもって簡単な言葉で書くことは逆に難しいと思う。
法学関係に進む人、法学に興味がある人はぜひ一度読んでみてほしい本である。 -
Posted by ブクログ
1月?
[内容]
全章を通して、社会という観点から法を論じている。
第1章では、文化の定義から始まり、その一部として法を位置づけ、他の文化相互の関係に関して言及している(具体的には、言語、宗教、道徳などである)。第2章では、抽象的思考と言語という人間の特徴を挙げつつ、その能力が社会の中で果たしてきた役割を論じていく。ある社会の中で、人間がその文化のかたちに適合した行動様式を学習していく過程として、「社会化」をあげる。その過程で、言語の果たした役割を指摘している。それに加え、「社会化」と相互補完の役割があるものとして、「社会統制」がある。社会統制としてさまざまな分類があるがその一つとして、法的統