浅野皓生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
過去の罪の念に苛まれる刑事が、責任感から再び調査を行うが… 刑事の職人気質を描いた警察小説 #責任
■あらすじ
刑事である徹は、かつて不審車両の職務質問をしている際に逃げられ、その結果大事故が発生してしまった。その後逃げた光彦は、直前に強盗傷害事件をおこしていたことが判明する。
徹は自らの過失のせいで光彦や巻き込まれた家族が亡くなってしまったと思い、自責の念に苛まれていた。ある日、光彦の家族から事件の再調査を依頼され…
■きっと読みたくなるレビュー
刑事の職人気質が描かれた痺れる警察小説です。
事件の被害者、加害者、刑事、関係する家族など、ひとりひとりに焦点を当てながら物語は進行していく。ほんの少しの歪みによって影響が増していき、不幸がどんどん広がっていって、やるせない気持ちでいっぱいになります。
主人公の刑事、徹の葛藤が痛いほどわかる… 警察官も警察である前に、ひとりの人間ですよ。たぶん真面目な人ほど、こんな心境になってしまうんだよなぁ。私なんか小ずるいから、こんなにも真っ直ぐには生きられない。しかし正義ってのは、どちらの方向から見るかで変わってくるものだし、どこまで貫いていいかの基準も難しいんですよね。
加害者家族の悲痛な叫びも胸の奥に突き刺さってくる、きっと当事者にならないとわからない感覚なんすよ。自分の一番大切な人を守るためには、まずは自分自身が責任ある行動をしなければなりませんね。
さて本書、後半から少し展開が変わってくる。この警察小説の物語のなかで、さらに人間関係が深まって描かれるんです。タイトルの通り「責任」の取り方に対しても、どの方向から見れば筋が通っているのか分からなくなる。私は自分が一番大切な人に対して責任を取りたいと思うけど、それだとやっぱり卑怯者なのでしょうか。
入り組んだプロットを丁寧に綴られているし、特に人間の心情が力強く描けている作品です。これからの作品にも期待しています!
■私とこの物語の対話
警察官、学校の先生、お医者さんなど、他人の人生に直接的に関わるような職業って、ホント大変だと思うんすよ。時には人には触れられたくない部分にも、土足で足を踏み入れなければならない。どれだけ心を無にして職務にあたっても、過去の痣がずっと残り続けることもあるでしょう。
冷静でありながらも、責任感と職人魂は忘れない。 やり甲斐のある職業だとは思いつつ、とてもじゃないが自分には全うする自信がないなぁ