グレゴリー・J・グバーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
でかまま的に、大当たりな一冊でした。
構成が素晴らしく、タイトルとは一見無関係な事柄が有機的に絡み合い、取りこぼされることなく、総括されていく様は見事としか言いようがない。
著名な物理学者たちが、猫という不思議な存在と意外なところで結ばれていたり、自然というか、進化の賜物を前にして戸惑ったりしている様がありありと伝わってくる。
そして、科学というものが新しい技術による観察によって大きく動くこと、いまなお謎のままになっている事象があり、知り得ていることは存外と限られていること、それを改めて痛感する一冊だった。
オッカムの剃刀が通じない世界を前にして、それでもそのもろい剃刀を手に挑むしかないのかも -
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Posted by ブクログ
著者は頭の子音を揃えた、原題「Falling Felines & Fundamental Physics」というタイトルがお気に召しているようだけれど、もし書店の本棚にこの背表紙の本が在ったとしても目にとまるか微妙だなと、まず思う。それは米国流のエスプリなんだろうと思いつつ、邦題の少々くどい言い回しの方がより多くの人の好奇心を刺激するだろう(猫だけに)。ただし、本の内容としては原題の方が正確に内容を要約していて、うっかり「ネコひねり」の問題のみ取り上げた本だと思って読み始めると、あちらこちら寄り道するように語られる物理の基礎的な法則に関連する逸話とかが少々余計に思えてしまうかも知れない
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Posted by ブクログ
「落下した猫が必ず足から着地するのはなぜか?」
答えは、「怪我をしたくないから!」などと言うと、チコちゃんに叱られる!じゃねーんだよ、と怒られますね♪
著名な科学者の面々が、この「ネコひねり」問題に対峙している。
外力が加えられない限り落下中の物体が回転することはあり得ない。と、ニュートン力学を知っている人は考える。
猫はおかしい。
4本の足が全て上を向いていても、そのままだと頭から落ちてしまいそうでも、たいてい足から着地する。
頭を上にしても下にしても、少し勢いを付けたり回転を付けたりして放り投げても、四つ足で着地する態勢を作る。
恐怖を感じた猫たちは必死で態勢を立て直しているのだ -
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Posted by ブクログ
ネコは例え背中から地面に向けて落下したとしても、多くの場合空中で体をひねって足から着地する。
そんな、日常的には目にしたことのある身近な振る舞いがなぜ可能なのか。その解明に情熱を燃やした科学者(実業家)たちの200年史である。
身近に目にする現象ながら、確かに、普通に考えると、何の足掛かりもない空中で体の方向を180度も変化させるのは奇妙なことである。
人が真似しようとしてもし得ない。
科学の分野が進展し、物理学が誕生したころから、この猫の動きがなぜ可能なのか、早くも注目されるようになっていたらしい。
しかし、その解明が、ここまで困難を極めるとは・・・・当時の科学者も、また本書の第1章2章 -
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Posted by ブクログ
猫を仰向けにしてそのまま落とすと、空中で体を回転させて脚を地面に向けて着地します。この現象を「猫ひねり問題」と称し、そのメカニズムに迫った過去の科学者の取り組みを通じて、自然科学のいろいろな面を紹介する読み物です。
内容は19世紀ごろからスタートし、多くの科学者が登場します。マクスウェル、アインシュタインなど超有名どころの名前も。取り上げられる分野は物理学(自由落下、角運動量保存など)、光学(連続写真、高速度撮影)、医学・生物学(反射)、宇宙工学、ロボット工学などなど。
「落下する猫は重力以外の外力を受けないのに、なぜ姿勢を変えられるのか」という視点は物理学、「猫は自分の姿勢をどう認識している -
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Posted by ブクログ
当たり前ではあるが本書は題名通り「落下する猫が宙返りして着地できるのはなぜか」を論ずるもの。と言ってしまえば身も蓋もないが、しかし2つの理由でなかなかに読ませる作りになっている。
1つ目の特徴は、本書が19世紀以降の物理学が獲得してきたパラダイムを順に追いかけ、その時代時代に妥当とされた知見から導き出される暫定的な宙返り問題の「正解」を時系列的に並べる形をとっていることだ。そのため、僕のような物理学に見識のない読者は「これが究極の答えでは?」と何度も早とちりをさせられるのだが、先を読むたびにその都度問題の「一筋縄ではいかなさ」を思い知らされることになる。一応の正解は、NASAに研究を委託 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ科学エッセイとして面白いけど~1「落下するフィギュアスケート選手」1850頃マクスウェルが,落下し始めたときからすでに回転していて肢を引っ込めたりの倍s足りして慣性モーメントを変えて回転速度を変える。2「タック・アンド・ターン」1894頃マレが,前肢後肢を引っ込めて上半身・下半身の慣性モーメントを変え,逆回転を抑えながら先に上半身を遅れて下半身を回転させる。3「ベント・アンド・ツイスト」1935頃ラドマーカーとブラークが,腰を折り曲げて上半身と下半身を逆方向に回転させることでそれぞれの角運動量を打ち消し合うようにする。4「尾をプロペラのようにつかう」1895頃,ペノアが,プロペラ運動で身体を逆
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