藤村シシンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ歴史の教科書では
西洋の範囲は古代ギリシアから始まります。
1ページにも満たないその章の中で
かろうじて、アテネ、ポリス、
アリストテレスなどの単語を
機械的に覚えている程度の知識ですが
難しいと思うことなく
読み進めることができました。
目から鱗となるような
リアルが多くありました。
おもな所では、
・現代と色の概念が違い色相ではなく、質感や性質を表す。
(緑色は豊かさやみずみずしさ、生命力を持つもの全般に使われる。例えば:朝露、涙、血などが緑色で表されます)
・ヒマな時間が哲学を生む。
(古代ギリシア語で暇を表す「schole」がスクールの語源となっていること)
・それまでの歴史のルーツでもあり、人間味溢れる様々なギリシャ神話。
日本との違いで
大きく感じることは現代ギリシアは
一度ヨーロッパの大国に取り込まれ後に
再度作られたもので
そこに歴史・文化に分断があることです。
逆にオリンポスの神々への信仰や神話などは、
日本の古事記や八百万の神の
捉え方に通じるようにも思いました。
全体的に緩い言葉表現で
書かれているのが読みやすく
大陸と島国、西洋と東洋で
似た所と違う所を
比べて読むのも面白いかなぁと思いました。 -
Posted by ブクログ
知識が皆無に等しくても楽しめる内容だった。
漠然と持っていたギリシャのイメージが実は「オリジナル」ではなく、西洋的なアイデンティティを求められた結果の産物だったことには驚いた。
大英博物館の今では信じられないような行動にも驚き。最初から確立しているわけではないのだから、当然かもしれないがそういった時代もあったのだなぁ、と。学芸員課程をかじった者としてはそういうふうにも思ったり。
固定のイメージを覆すところからお話を始めるのはシンプルに構成として上手いな〜と思った。文体も堅苦しくないのでサクサク読める。
古代ギリシャ的な「信仰」や「習慣」は無くなっても、神話は語り継がれて、新しいものになったり、今だけじゃなくてきっとこれからも色々な解釈がされたり、題材やら元ネタになっていったりするんだろうなとギリシャ神話の強さを改めて感じた。
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Posted by ブクログ
ネタバレゲームさんぽで藤村シシン先生を知り、手に取りました。文章からシシン先生のお人柄が出ていて、親しみやすかったです。
読み手が「面白い!」「アツい!」と思えるトピック中心に編まれているので、古代史に詳しくなくても楽しく読めるんじゃないかな〜と思いました。
古代人と私たちの感覚の違いに触れた上で、例えを上手く使いながら解説されていました。
特に、魔術とは何か?魔法、錬金術とは何が異なるのか?と、膝を打つ点も多かったですね。
時代が古いため、失われた資料や不明点がまだまだ多いのだろうなと思います。
その中で、古代ギリシャを生きた人たちの願いが、私たちとそう変わらないことになんだかおかしい気持ちになりますね。
紹介された中では、招きヘルメスが好きです。
なんやそれ!
たまたま、これを読んだ日にゲームさんぽの更新がありまして、本書で知った知識が動画で紹介され、まさに「アツい!」でした笑 -
Posted by ブクログ
のっけから驚く
ギリシャは白くない!
元々神殿は極彩色に彩られていたのだ!
大英博物館が、所蔵するパルテノン神殿のフリーズ(建物上部の装飾彫刻)の色をこすり落とし白く磨き上げた
博物館のスポンサー命令とのことが1939年に発覚
なんとまぁ!
18世紀半ばから西欧でギリシャブームが起こる
ギリシャは崇高で静謐、単純美のシンボルでなければならない
大理石は白く輝いていないといけない
神殿は白亜でなければならない
国全体も、古代ギリシャっぽくないものは破壊され、古代ギリシャっぽい建築物が建てられた
西洋人が古代ギリシャの理想化する理由
それは「ギリシャ文明を自分たち西洋世界の共通のルーツ」だと信じているから!
しかしながらギリシャ文明はエジプト文明をはじめアフリカやアジアに起源があり、西洋文明の出発点は古代ギリシャではなく東洋におくべきでは…(黒いアテナ論争)という意見もあり
というわけで
「白亜の、白人の、古代ギリシャ」は西洋がそうあってほしかったギリシャの幻想が投影されている
中世ギリシャは存在しない
1000年の空白あり(確かにそういえばそうである)
古代ローマ(東ローマ帝国、オスマン帝国)に吸収された
次にギリシャ人を名乗る人が現れるのは19世紀(ギリシャ独立戦争)
古代ギリシャは多神教(ただし宗教という概念や言葉はまだない)
現代ギリシャは一神教(東方正教徒)
まぁそんな感じで古代ギリシャ人と現代ギリシャ人は異なる
(しかし現代ギリシャ人は古代ギリシャ人に大変誇りをもっている)
他にも
ギリシャ神話の世界、オリンポス十二神とその履歴書(これは役立つ)、古代ギリシャ人のメンタリティ、価値観や時間感覚(特に労働に対する価値観が日本とまぁ違うこと)、夢占い、盛んな同性愛(!)、日本と同じくセミ(ミーンミン鳴く蝉です)に情緒を感じる…など
なかなか面白いネタが多く、ギリシャの知識ゼロのド初心者の私にはピッタリであった
最後に著者について
藤村シシン氏
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家
高校生の時に「聖闘士星矢」にすっかりハマり、ギリシャ神話に興味を持つようになる…
ちなみに女性である
ネット検索するとギリシャの衣装で登場しており、なかなかインパクトがあって面白い
情熱をもって好きなことを仕事にするというのはまさにこういうことなんだろうと思わせる女性である
こういう方の活躍はこれからも楽しみだ
こういう本をおり混ぜながらギリシャの歴史を知っていくのはずいぶんおトクな気がする
楽しませていただきました♪ -
Posted by ブクログ
映画や小説、絵画を見る上で、ギリシャ神話を知っているともっと楽しみが深まるのに、と思いつつ、詳しく知らないギリシャ神話。改めて知れればと本書を手に取った。
カジュアルに読めるギリシャ神話の入門書で、ギリシャ神話の位置づけやオリンポス12神の個性の整理に役立った。
一方で、人によっては中途半端な本かも知れないなぁと思ったのも事実。興味を引くべく(名前だけでも)有名な神のエピソードやギリシャ神話のちょっとした疑問、トリビアから入っているのだけれど、ギリシャ神話に興味を持つ人でないと、その神の名や「ちょっとした疑問」自体、全く知らないのではないかと。逆にそこそこ知っていると、整理には役だっても知識は深まらない。
とはいえ、まとめ方はユニークだし、何より最後の参考文献がすごくいい。作者が古代ギリシャの知識がなくても読める本に★を付けてくださっているのも親切。これに引っ張るための1冊だったのではないかと思うほど。そう考えると、入門書のあり方として正しいんですよね。