フランシスチャのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ整形中毒のルームサロン嬢。アイドル好きの美容師。赤ちゃんが欲しい会社員。恋愛に悩むアーティスト。容姿や家柄、学歴、結婚、妊娠――。韓国女性を取り巻く呪縛を乗り越えて、今日も彼女たちは強く生きていく。ソウルの一角に暮らす女性たちのオムニバス。境遇はばらばらに見える彼女たちには、みなソウルではなく地方都市の生まれで、韓国の超競争社会において有利になるものを何も持たずに人生を歩みだしたという共通点がある。
どのエピソードにも、貧困と富裕の対比が大なり小なり描かれている。物惜しみの激しい祖母の家に預けられていた子供時代のウォナは、米国で安楽に暮らしている親戚に羨望を抱く。アラは美容師として細々と自 -
Posted by ブクログ
複雑な事情を抱えて現代を生きる、4人の韓国女性たちの等身大の姿を描いた物語。背景に韓国ならではの事情を色濃く反映させながらも、日本でもどこでも共通する彼女たちの思い悩む姿は共感できるもので、段々浮き上がってくる彼女たちのキャラクタもとても魅力的でした。
美容整形を「三人に一人」がなんらかの形で行っていること、超高学歴社会であること、そして少子化や社会構造のひずみにさらされていること。その無慈悲さすら湛えている社会に、彼女たちは後ろ盾もなくさらされていき、傷を負ってもしまいます。
その傷を抱えながらも、彼女たちがそれぞれのかたちで立ち向かっていく様子がみずみずしく描かれていて、とても好ましか -
Posted by ブクログ
“おおかたの人は、ほんとうの闇を理解する力を持っていないのに、それでもなんとか手助けしようとする。”(p.44)
“「わたしは働く余裕がなくなる、というか働けなくなるのよ」
わたしの聡明な夫は、そういう実質的な問いに対してはいつも確実に愚かな答えを返す―
「ともかく子供を持って、追いおい考えていけばいいんだよ!うちの親も助けてくれるだろうし!」
ときどき、屈託なくのんきに微笑む夫を見ていると、痛いほどの嫌悪で心がよじれるのを感じ、表情を見られないよう慌ててうつむくことがある。何はともあれ、彼は優しい人だし、結婚相手にこの人を選んだのはわたしだと、常に自分に言い聞かせていなくてはならない。”