黒江哲郎のレビュー一覧

  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    元防衛事務次官の黒江氏の回想録。失敗だらけの役人人生というタイトルのとおり、若手の補佐時代、課長時代、局長時代、事務次官時代と職務のレベルごとに時系列で構成され、その時点でどんな失敗に直面したかが丁寧に書かれている。一言で感想をいえば、失敗に裏付けられたビジネススキルを楽しく学べる書というところ。

    他の方の書評にもあるとおり、回想録とは兎角自慢や成功体験に終始するのに対し、本件は、失敗談とそれをどう乗り越えたかについての視点が中心。人間、失敗から学ぶので、先達の失敗談というのは貴重である。

    また、その中には、だから・ですから・だったらと言ったDワードをやめて、さ行のSワード(さすがとか)の

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    2023年03月30日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    南スーダンPKO日報問題で引責辞任された黒江元防衛相事務次官の役人人生を通じて、日本を巡る安全保障環境の変化の推移が読み取れる一冊。
    この30年で日本を巡る安全保障環境は全然変わってしまった。にもかかわらず、そのことを理解できていない「ジャーナリスト」の解説が、「平和安全法制」を未だに理解できていないことに愕然としつつ、その分星一つ差し引いて星四つとする。

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    2024年06月16日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    日本の省庁でもエリートと呼ばれるようなポストについていた人が書いた本だからか、現代のビジネスマンへの助言としている自分の経験からくる意見には、まず全力の努力は当然のことという前提があるように感じた。(それが良い悪いではなく)
    それでも足りない時にどうすれば良いかについての理解は出来た。
    自分は著者のように全力で仕事に邁進できてはいないので、そこから始めなければならないなと感じた。

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    2022年12月05日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    高官の回顧録って自慢話に
    終始しがちだけど、この本は
    タイトル通り失敗が全面展開で
    面白いし好感がもてる。
    それでいて、組織の中で直面する
    難題への向き合いかたも参考になる

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    2022年09月19日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    南スーダンPKO日報問題で引責辞任した防衛事務次官の著者が、37年の役人人生の失敗について柔らかい語り口で書いている。
    事務次官まで昇り詰めたのだから物凄く優秀なんだろう、それでもこれだけ失敗するんだということで、失敗から教訓を得て学ぶこともあるだろうし、優秀でもこれだけ失敗するんだということ自体も学び。
    自衛隊初の警告射撃、情報本部の発足、51大綱の見直し、朝鮮半島危機とミサイル防衛、事態対処法制、中国原潜の領海侵入、省昇格、事業仕分けと普天間問題、火器管制レーダー照射事案、平和安全法制、陸自の日報問題という著者が関わってきたイベント。
    いかにうまく板挟みになるか、無理にパワー系調整術は使わ

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    2022年05月05日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    自分の失敗を率直に紹介するというコンセプトが面が面白く、筆者の謙虚さを学びたい一冊。興味深い記述は次のとおり。
    ・「板挟みになりながら自分が泳ぐ余地を確保するのが重要なんだ」
    ・ソ連の領空侵犯ー不測の事態の武器使用マニュアルをマニュアル化するチャンスだった
    ・情報本部の創設ー戦術情報機能は各自衛隊に残し、戦略情報を一元化する
    ・危機管理は結果が全て。役人は結果よりも制度や手続きを重視する傾向。
    ・中国原潜領海潜没航行事案ー海上警備行動が通過後になってしまう。対応要領の未整備と連絡調整業務を抱え込みが原因。
    ・説明で「ですから」「だからですね」はタブー。サシスセソやオウム返しで相手の気分を上向か

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    2022年05月04日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    防衛事務次官であった著者が、防衛省役人人生について語った本。「市ヶ谷台論壇」に連載されたものを、朝日新聞社の「論座」に転載、その後書籍化されたもの。著者の誠実な人柄と真面目な勤務ぶりが伺われる。防衛庁が省に昇格し、任務も増加・多様化しつつ、さまざまな事案に対応してきた時々の状況や実態を、別の角度から眺めることができた。参考になる一冊。

    「(英語不勉強)唐突に命じられた米国情報機関の出張の際に一挙に不勉強のつけを払わされることになりました」p34
    「(情報本部設立の企画)当初は庁内に存在するすべての情報関係部署を一元化しようという案からスタートしましたが、予想通り組織を吸い上げられる各幕の反

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    2022年02月09日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    これだけ具体的でリアルな、マネージングに関わる回顧録はあまりない。アメリカの数多の立役者や、日本の政治家の(いささか唯我独尊の香りが鼻につきがちな)それは、確かに正論道理の示唆も含まれてはいるが、自分がいかに大きな仕事をしてきたか、の「自慢話」がほとんどで、恥を忍んで・・というエピソードは、ほとんど出てこないものだ。
    それに対し、黒田氏のこの回顧は、官僚トップまで務めた人物として、コーディネーティングとマネージングのエキスパートであるにもかかわらず、ほぼすべて、振り回されて苦労して失敗したという話で埋め尽くされている。エリート官僚ではあったが、実際には誠実に仕事をしようと務めた小さな一人の人間

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    2022年01月16日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    元防衛事務次官の役人人生の振り返り。

    部員時代、課長・審議官時代、局長・次官時代における細かい失敗のエピソード(大臣に車の中でしょうゆをかけてしまった等)も興味深かったが、個人的には各時代において著者が何をどう考え、それを自らの役人としての行動にどのように反映した・しようとした点が非常に興味深かった。

    役人として、あるいは社会人として、人生をどう生きていくかについて、元事務次官という存在は遠いものの、比較的身近に引き付けて考えさせてくれる内容だった。

    本書の内容自体に問題はなかったものの、最後の解説、これが本当に蛇足で、面白いと感じた読書体験を不快感に染めさせられて本当に腹がった。

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    2022年03月05日
  • 防衛事務次官冷や汗日記 失敗だらけの役人人生

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    タイトルが、最近流行りの日記シリーズと被っていて、ちょっとどうかと思うが、防衛省の事務次官まで務めた著者による一種の回想記。同時に、中央省庁で政策を担当する公務員としての後輩に向けての指南書であり、エールでもある。
    役人生活の最後を不祥事対応の失敗という不本意な形で終えたことは大変気の毒だが、その分、割り切りというか、開き直って、数々の失敗を含めて正直かつ真面目に本書を書かれたように思う。その意味で、元事務次官の生き様を学べる貴重な一冊ではないかと思う。

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    2022年01月31日