佐藤猛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
英仏百年戦争を描いた本書。
読んでみて、ヨーロッパっていうのは闘争につぐ闘争、戦争につぐ戦争で休まる時がないなぁ、としみじみ思う。修羅の地という名前がこれほど似合う地域も他にあるまい。そりゃ、「人権」という発明品が出てくるわ……それでも大分時間がかかってはいるが。
離合集散、合従連衡当たり前。隙あらば地位向上、領地拡大を狙う王侯貴族。独立心旺盛、条件よければ鞍替え上等の在地貴族。戦乱に巻き込まれ悲惨なはずの民衆たちも、何だかんだで逞しく図太い。
……これだけ条件そろえば平安なんて望むべくもない。中世は「暗黒時代」とはよく聞くけれど、「闘争時代」の方が実態に即している気がする。キリ