みっちぇのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大好きなものに人生をかけるチェスプレイヤーたちの物語。前半、熱い展開に興奮しました。
荒削りで勢いに乗って書いた感じが、また良かった。作者はチェスが好きで好きで堪らないのだろうと想像に難くない。
ただし釣崎のエピソードは非現実感が強く、あまり入り込めなかった。マフィアの描写はいかにも空想っぽく、ヤンの日本語はあまりにステレオタイプ。ちょっとそこで冷めたので★マイナス1といったところ。
一生を捧げられるものがあることが羨ましい。それに出会えたことも奇跡だし、同じものを愛せる仲間やライバルがいることが、なんと尊いことか。
私も今からでも、そんな対象に出会えるだろうか。 -
Posted by ブクログ
チェスに、文字通り人生を捧げた4人の物語。
難病で入院中、チェスを知った少年。
難関校に進み、親の希望通りの官僚エリートコースかチェスの道に悩む少年。
親とも衝突し、藻掻く中でチェスを知った少女。
少年院を出てチェスにのめりこみ、ヤクザやマフィアといった裏社会とチェスで関わる青年。
チェスがなければ、きっと交わらなかったはずの人生が大会で交差していく。
何かに夢中になるという、きらめきを感じられる一冊。ただこういう物語で非行どころではない、マフィアなど裏社会がガッツリ絡んでくるのは、ちょっと珍しい気もする。
チェスがわからない人でも楽しめるし、最初の方はちょっぴり図解もあり。
なんだかちょっとチェスが気になって、軽くアプリを始めてみた次第…… -
Posted by ブクログ
大好きな作家である綾崎隼先生が太鼓判を押していると聞き、いつか読もうと思っていた。
綾崎先生の出版した小説の中に、『盤上に君はもういない』と『ぼくらに嘘がひとつだけ』という二作がある。これらは将棋を題材とした作品だ。当時将棋にハマっていた私は、この二作をきっかけに読書にのめり込んでいった(将棋熱は半年で尻すぼみ。今はたまに友人と指すくらいだ)。
本作『エヴァーグリーン・ゲーム』は将棋と同じボードゲームである「チェス」を題材とした青春小説。敬愛する作家と大好きな青春小説というジャンル。そんな組み合わせに導かれるようにして読み始めた。
本作は決して明るいだけの物語ではない。チェスの素晴らしさとともに語られるのは、どうしようもなく生きづらい世界だ。
難病を抱える子どもたち、恋した少女がいじめの標的になっていた少年、生まれつきの障害から母親から蔑まれる少女、父親の家庭内暴力を発端として非行に走った青年。作中で登場した日本屈指のチェスプレイヤーたちの生い立ちは、同情せずにはいられないものばかり。
けれど、だからこそ彼らはチェスに夢中になり、生涯の友に、家族に、師弟に、宿敵になることをができた。チェスの楽しさを魅せられ、魅せられすぎたのだ。
奇妙な巡り合わせとチェスを愛する心が紡いだ縁は、きっと読者の心も穿つだろう。
2024年時点で将棋の人口は全世界で約1000万人。それに比べチェスの人口は7億人にも及ぶという。将棋というゲームを否定する気は毛頭ないが、いかにチェスが世界で愛され親しまれているか、比較するとよく分かると思う。
しかし物語の舞台はあくまでも日本。この島国では圧倒的に将棋の方が知名度が高く、プレイヤーの人口はわずか2万人。ゆえにチェスは将棋と比べマイノリティとされている。
取った駒を持ち駒として再利用できる将棋と、取った駒は二度と盤面に戻ってこないチェス。
「生き残った駒は、死んだ駒の命を背負う」。物語序盤で語られた透の決意の表現は、そんな日本人にとって馴染みのないチェスの面白さと本質を物語っている。
鮮やかな導入の後、まるで読者に十字架を背負わせるように、透の行く末を、盤上に残った駒の最後を見届けろと訴えかける。そんな展開に喉が干上がりながらも、ページを捲る指だけは止まることはなかった。
なぜもっと早く読まなかったのか。そう考えたのは久しぶりで、それほどまで熱中して読むことができた作品だった。 -
購入済み
チェスと人生
日本においては将棋に並ぶべくもないマイナーな競技であるチェス。あえてそのマイナーなゲームをメインテーマとした作者に敬意を評したい。病気で入院生活が多い子供時代からの記述は、ややラノベ風で読みやすくはあるが、生死を扱うこともありそれなりの重みもある。