ヤンシィー・チュウのレビュー一覧
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ネタバレなかなかおもしろかった!
ちょっとあやしげで薄暗いような、独特の雰囲気があって好きなタイプの物語だった。
登場人物の名前の一部に五常の字がはいっていて、それがキーになるところはなんとなく里見八犬伝を思い出した。個人的には途中から謎の行方よりもロマンスの方に夢中になってしまった。二人にはこれから幸せに暮らしてほしい。
そしてできれば二人のその後も見たい…。
こわいロマンスも最後の方にあったけども、それについては本格的にネタバレになってしまうから語らないでおく。
ところで五常の一人は登場前に亡くなっているからこの世には四人しかいないわけだけど、作中で何度も繰り返されるように四は非常に縁起の悪い数字。そうするとまた何か事件に巻き込まれるのではないか、という気もする。続きがもしあったらぜひ読みたいなぁ。 -
Posted by ブクログ
マレーシアはマラッカが舞台の冥婚ファンタジー。時代は19世紀頃、イギリス統治下の時代みたい。マレーシア華人文学です。
いまや中国本土では失われた「冥婚」というシステムや紙のお金などのお供物をする習俗、冥界の描写がかなり面白い。お父さんがひどいけど主人公は健気に頑張ってます。
実際、中国本土でも南の方では紙銭(本編中では「冥銭」)や紙でできた模造品を燃やす習慣はまだ根強くて、模造品に至っては最新のiPhoneや外車など、びっくりするようなものが売られてるんだよね。さすが煩悩まみれの中華圏!
ひとつ、名前の表記がカタカナなのが読みづらい。なまじ中国語を齧った人間に限ってのことだと思うけど。ネタバレすると「アーラン=二郎」とは思わなかった。阿郎かなと。本文中に「次男という意味」と書かれていたから推測しようと思えばできたんだろうけど、二郎神君なのに犬連れてないし!犬!!大事だよ、二郎神君といえば犬!
本編の他に、著者あとがきや訳者あとがきが作品や時代背景などの解説のようになっていてかなり面白い。Netflixのドラマも見たくなっちゃった。『夜の獣〜』より好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ英日翻訳学習中+東南アジアの文化に興味有+中国語とインドネシア語(マレー語に近い)学習経験有+ファンタジー好きの私には堪らない作品だった。
1930年代のマラヤ(現マレーシア)の歴史や風土をしっかり調べた上で書かれているようなので、旅行で行ったマレーシアや中国の風景も参考に思い出し、鮮やかにイメージしながら読み進めることができた。
原題でもあるThe Night Tiger、人虎の存在は様々な形で(ときにかなりはっきりと)仄めかされながらも、最後まで明確にはならず、迷信は迷信として謎を残してくれたのも好感。
創元「推理」文庫なだけあって、ただのファンタジーではなく、ミステリー要素も強く、まさかその人が犯人…!と不意を突かれた。
【翻訳に関してのメモ】
・視点について
訳者もあとがきに書いているが、視点の問題が訳す際に難しそうだった。原文では主人公のジーリンのみ本人視点、他の登場人物については三人称(神視点)、レンとウィリアムについては時々本人視点、と視点が移り変わっているそうだ。
英日の翻訳で特に難しいと思うのが神視点の訳。日本語では主語を省略することが多いので、小説を神視点で書くのは難しい。それもあり、本書を読んでいて、視点が今どこにあるのか分かりにくいところがあった。
例えば、ジーリンとレンが共有する夢の場面。「おなじみの夢」とあっても、誰にとって「おなじみ」なの?と思ってしまった。恐らく著者と読者(神)にとってなのだと思うけど、日本人的には、その人物がその夢を「おなじみ」と感じていると読めてしまった。
・「西洋棟」
Western Buildingか?単に西棟(固有名詞で大文字)ではないのか?
・「数」
番号のことを「数(かず)」と表記している箇所があった。辞書的には間違いではないが、語感として「数」というと「数量」をイメージしてしまった。番号であれば「数字」と相性が良い気がする。
・ふりがな
基準がよく分からなかった。初出で振られていないのにその後振られているところも…
・気になった表現
何度も出てくるなあと思った表現
「かぶりを振る」
「袖にする」 -
Posted by ブクログ
仁義礼智信、の読み方が当然なんだけれども違って、いつも一つ思い出せなくってなんだっけ?と思いながら読みました。義がイーなんですねぇ。
という訳で、恋愛に鈍い系のヒロインの恋物語がメインだったらちょっと苦手だったかもしれないですが、話の軸は小瓶に入った指だったので。そこの軸からあまりずれなかったのが面白かったです。それにしても人虎って山月記でしたっけ?アレもそういうのじゃなかったかな…と思ったり。中国の古い話は奥が深い。
それにしてももう一人の礼さんコワイ。彼女が植えたのって夾竹桃かイチイの木かなぁなんて思ったんですが、どうなんだろう。夾竹桃と言えば、千葉市では昔、出産祝いとして苗を配ったらしいですが。今思うと結構怖い話だな、うん。
レトロな雰囲気の旧市街を駆けずり回るヒロインが動きにくそうなドレス姿で、絵としては良いけど大変そうだなぁなんて思いながら読み終えました。面白かったです。 -
Posted by ブクログ
前に読んだ本が面白かったので。こちらの方が先に書かれた作品だったんですね。
時代背景が古いので、お金の無い旧家の令嬢なんてロクなもんじゃないな、というのが一番の感想。働く場所もないし、勉強する場もないし、留学や社交するお金もない。家長である父親がやる気を出さないとどうしようもない世界で、娘の存在も忘れているような男に結婚の面倒なんか出来るわけないものなぁ。これだから男には任せられないよな~と現実をみたら奥さんは嘆きそう。
それにしても若くして亡くなった金持ち息子はなんでそれほど彼女に執着してたんだろう?作中語られた気もするけれどもあまり記憶に残らない。そしてマルチエンドのように3人も男性を用意したため、結局どうなるのよ?というあたりで話がボケてしまい、どっちつかずの結末が残念でした。まぁでも実際問題、世間知らずでつぶしも聞かない彼女はカネモの従兄と結婚するしかないのでは?途中までその一択だったのに、なんでそういう展開にしちゃったかな、とちょっと残念に思いました。
個人的には一番かっこよかったのはヒロインの母親だと思うけれども、彼女が亡くなったもの大分八つ当たりのとばっちりだし、それで死後はあれか、というと本当に救いがない。ドラマ版は色々変えているみたいですが、確かに登場人物と、特に恋愛部分をスッキリさせた方が面白くなりそう。舞台背景は面白いなと思ったので。