藤原無雨のレビュー一覧

  • 水と礫
    東京で失敗して故郷の町に戻ってきたクザーノがらくだのカサンドルとともに砂漠へと旅立ったのは、「東京から運んできた悲しい水分を全部蒸発させる」ためだった。やがてたどり着いた町で新たな暮らしを始めるクザーノを中心に、ホヨー、ラモン、クザーノ、コイーバ、ロメオ(すべて葉巻の銘柄)の5代にわたる父と子の系譜...続きを読む
  • 水と礫
    ストーリーは複雑ではないものの、同じ出来事が違う視点で何度も繰り返される展開が複雑で作者の意図を十分に理解出来なかった。日本と何か他の国(砂漠のある国)とを繋ぐ出発点も意図が理解できないままだった。
  • 水と礫
    不思議な本。ファンタジーか。夢か。何度も同じようなシュチュエーションの舞台を観にいっているのか。少しずつ認識にずれがあって、語り部により違うところから話を聞いているかのような。繰り返される砂漠を旅する男。何がどうなるのか。謎を知りたくて読み進めてラビリンスじゃないか?と疑ったりする。人は風景の共有だ...続きを読む
  • 水と礫
    まるで、繰り返されながら拡大するゾエトロープが如く、アンダンテのリズムで振られていたはずのメトロノームがやがて振れ幅を拡大していく。
    その速度を落とすことなく、未来に過去に振り動く。振り動かされながら、歩かされて行く。
    初めて『水と礫』を読んだ感想はそうだった。

    これは礫砂漠のごとく様々な技巧と躓...続きを読む
  • その午後、巨匠たちは、
    文章の構成は斬新だと思う。読みやすいし。
    面白いといえばおもしろいが、そうでもないような?
    何とも言えない内容。
  • その午後、巨匠たちは、
    初めての作家さん。
    どこかの神社に6人の巨匠が祀られ、現代に蘇る不思議な話。どういう基準の6人なのか不明ですが、ダリは大好きだし、北斎とモネも好きだから嬉しい。筆触分割されたモネの花びらの美しさ。ダリの磔刑図を使った【キリスト昇天動力装置】の発想がすごいです。北斎が粋でした。
  • 水と礫
    主人公クザーノの人生を核に、その先祖や子孫にまで話が及ぶ壮大な小説。基本となるストーリーを少しずつ形を変えながら何度も繰り返す“ループ構造”となっていて、その始まりや終わりに主人公以外の人達が描かれる。クザーノの直系親族以外は日本名で東京も登場するが、舞台となるのは東京と陸続き(?)の砂漠の街である...続きを読む